子どもに愛を伝える3つの方法
好評を博している七田式の絵本セット『こころを育てる七田(しちだ)式 えほんシリーズ』。6つの絵本が収蔵されており、子どもへの読み聞かせにうってつけだ。
その絵本シリーズの最新コース『ペガサスさんコース』は、ビジネス書や自己啓発書の作家をはじめ、エッセイスト、絵本ソムリエなど、バラエティ豊かな執筆陣が絵本作りに挑戦。それぞれの物語には、子どもに伝えにくい「教訓」が理解できるように易しく織り交ぜられている。
前コース『ぞうさんコース』に続き、今回も絵本シリーズの仕掛け人である七田厚さんのお話をうかがうことができた。このインタビュー後半では子どもの教育について語っていただいているので、ぜひ、参考にしてほしい。
(新刊JP編集部)
■子どもに愛を伝える3つの方法
―絵本の読み聞かせは、なかなか教えにくいことも、楽しみながら教えることができますが、もう一つ、親の成長にもつながるのではないかと思います。つまり、自分ができていなかったことを、子どもに絵本で読み聞かせしているときに気づいたり・・・。
「それはありますね。このえほんシリーズを通して、『子どもにこんな風に言ってあげればいいということに気づきました』『自分は逆のことを子どもに言っていました』というおたよりをいただくんです。それは制作時には意図していなかったのですが、お母さんも子どもと共に学べるということを知って、なかなか時間がなくて子どもにかまってあげらないというお母さんたちにも、読み聞かせがいいんだよということを伝えています。絵本の中で描かれている親子関係から学び、子どもにゆとりを持って接することで、親子関係が良くなるという良い循環が生まれてほしいんですね」
―絵本を通して良い親子関係が築かれていく、と。今、育児放棄や毒親の存在が社会問題となっていますが、その中で親が子どもに愛を伝えることが苦手になっているという話も聞きます。親が愛を伝えにくくなっている理由についてどうお考えですか?
「社会の環境が変化していることが一つの要因だと思います。核家族化や少子化なども影響はあるでしょうし、スマートフォンなどの電子機器の進化もその一つです。そういった進化と上手に付き合いながら子育てをしなくてはいけないので、昔に比べて難しくなっているんだと思います。
前回の『ぞうさんコース』の反響の中に、『最近の母親は子育てが下手になっている』という声がありましたが、それを言うとお母さんたちがかわいそうだと思うんです。例えば、誰でも一人目の子どもって、子育てをしている中で『こうしてやればよかった』と後悔することが多くなるんですね。でも、少子化でその後悔を生かす機会が少なくなっています。また、核家族化や近所づきあいが少なくなったことによって、子育ての先輩の方々に接する機会が少なくなりました」
―なるほど。
「それに、例えば授乳中に携帯電話やスマホをいじるのはやっちゃいけないことです。授乳も母子のコミュニケーションの一つですから、かわいいとか、すくすく育ってねという気持ちで赤ちゃんを見つめることで愛が通じるのに、子どもそっちのけでメールをしたり、スマホで情報を見ていたりするのはNGです。
スマホを使うなというわけではなくて、しっかり使い分けることが大事だということです。ただ、そうしたことは誰も教えてくれません。自分で気づく人もいれば、そうじゃない人もいます。やはり気づきやすい人は、親から愛されて育ってきた人ですね」
―子どもに愛を伝える方法についてはどのようなやり方がありますか?
「今、私が講演会などでお話ししているのは、愛を伝える3つの方法です。1つ目はスキンシップ。赤ちゃんは抱かれるために生まれてきました。抱っこしたり手をつないだり、頭をなでてあげたりするコミュニケーションがまず大事です。
2つ目は子どもの話をしっかりと聞いてあげることです。そうすると、子どもは受け入れられていると感じ、セルフイメージが上がります。逆に、忙しいからといって邪険に扱うと、愛されていないと思ってしまうんです。
そして最後に、絵本です。特にお父さん方はなかなか子どもと触れあう時間がとれないと思いますが、そんなときには寝る前の読み聞かせがおすすめです。そうすることで、愛を伝えることができます。もちろんお母さんも一緒です。叱ったあとに絵本を読み聞かせてあげると、読み聞かせをしてもらうこと自体に子どもは愛情を感じるので、最大の効果があると思いますね」
―では、このインタビューの読者の皆さまにメッセージをお願いできますか?
「この絵本6冊、どれも読み終わったあとに補足して説明しなくてもいいようになっていると思います。『今の聞いていたでしょ? ○○ちゃんはこうしていたからこうなのよ』という解説は必要ありません。絵本を通して子どもに読み取ってもらうことが狙いなので、読み終わったら、『おしまい』と言って閉じてもらうのが一番いいですね。
また、何回も読むときには、それまでとは違った観点で楽しむこともできます。例えば『にじいろのバトン』であれば、何人の人が登場したでしょう?などと、とクイズを出しましょう。そしてもう一度読んでみる。そうすれば何度も絵本で遊べるはずです」
―より良い親子のコミュニケーションが生まれそうですね。
「そうなんですよね。絵本を楽しんでもらって、さらに今回参加してくれた作者の皆さんの活動に興味を持ってもらえると嬉しいです」
(了)
その絵本シリーズの最新コース『ペガサスさんコース』は、ビジネス書や自己啓発書の作家をはじめ、エッセイスト、絵本ソムリエなど、バラエティ豊かな執筆陣が絵本作りに挑戦。それぞれの物語には、子どもに伝えにくい「教訓」が理解できるように易しく織り交ぜられている。
(新刊JP編集部)
■子どもに愛を伝える3つの方法
―絵本の読み聞かせは、なかなか教えにくいことも、楽しみながら教えることができますが、もう一つ、親の成長にもつながるのではないかと思います。つまり、自分ができていなかったことを、子どもに絵本で読み聞かせしているときに気づいたり・・・。
「それはありますね。このえほんシリーズを通して、『子どもにこんな風に言ってあげればいいということに気づきました』『自分は逆のことを子どもに言っていました』というおたよりをいただくんです。それは制作時には意図していなかったのですが、お母さんも子どもと共に学べるということを知って、なかなか時間がなくて子どもにかまってあげらないというお母さんたちにも、読み聞かせがいいんだよということを伝えています。絵本の中で描かれている親子関係から学び、子どもにゆとりを持って接することで、親子関係が良くなるという良い循環が生まれてほしいんですね」
―絵本を通して良い親子関係が築かれていく、と。今、育児放棄や毒親の存在が社会問題となっていますが、その中で親が子どもに愛を伝えることが苦手になっているという話も聞きます。親が愛を伝えにくくなっている理由についてどうお考えですか?
「社会の環境が変化していることが一つの要因だと思います。核家族化や少子化なども影響はあるでしょうし、スマートフォンなどの電子機器の進化もその一つです。そういった進化と上手に付き合いながら子育てをしなくてはいけないので、昔に比べて難しくなっているんだと思います。
前回の『ぞうさんコース』の反響の中に、『最近の母親は子育てが下手になっている』という声がありましたが、それを言うとお母さんたちがかわいそうだと思うんです。例えば、誰でも一人目の子どもって、子育てをしている中で『こうしてやればよかった』と後悔することが多くなるんですね。でも、少子化でその後悔を生かす機会が少なくなっています。また、核家族化や近所づきあいが少なくなったことによって、子育ての先輩の方々に接する機会が少なくなりました」
―なるほど。
「それに、例えば授乳中に携帯電話やスマホをいじるのはやっちゃいけないことです。授乳も母子のコミュニケーションの一つですから、かわいいとか、すくすく育ってねという気持ちで赤ちゃんを見つめることで愛が通じるのに、子どもそっちのけでメールをしたり、スマホで情報を見ていたりするのはNGです。
スマホを使うなというわけではなくて、しっかり使い分けることが大事だということです。ただ、そうしたことは誰も教えてくれません。自分で気づく人もいれば、そうじゃない人もいます。やはり気づきやすい人は、親から愛されて育ってきた人ですね」
―子どもに愛を伝える方法についてはどのようなやり方がありますか?
「今、私が講演会などでお話ししているのは、愛を伝える3つの方法です。1つ目はスキンシップ。赤ちゃんは抱かれるために生まれてきました。抱っこしたり手をつないだり、頭をなでてあげたりするコミュニケーションがまず大事です。
2つ目は子どもの話をしっかりと聞いてあげることです。そうすると、子どもは受け入れられていると感じ、セルフイメージが上がります。逆に、忙しいからといって邪険に扱うと、愛されていないと思ってしまうんです。
そして最後に、絵本です。特にお父さん方はなかなか子どもと触れあう時間がとれないと思いますが、そんなときには寝る前の読み聞かせがおすすめです。そうすることで、愛を伝えることができます。もちろんお母さんも一緒です。叱ったあとに絵本を読み聞かせてあげると、読み聞かせをしてもらうこと自体に子どもは愛情を感じるので、最大の効果があると思いますね」
―では、このインタビューの読者の皆さまにメッセージをお願いできますか?
「この絵本6冊、どれも読み終わったあとに補足して説明しなくてもいいようになっていると思います。『今の聞いていたでしょ? ○○ちゃんはこうしていたからこうなのよ』という解説は必要ありません。絵本を通して子どもに読み取ってもらうことが狙いなので、読み終わったら、『おしまい』と言って閉じてもらうのが一番いいですね。
また、何回も読むときには、それまでとは違った観点で楽しむこともできます。例えば『にじいろのバトン』であれば、何人の人が登場したでしょう?などと、とクイズを出しましょう。そしてもう一度読んでみる。そうすれば何度も絵本で遊べるはずです」
―より良い親子のコミュニケーションが生まれそうですね。
「そうなんですよね。絵本を楽しんでもらって、さらに今回参加してくれた作者の皆さんの活動に興味を持ってもらえると嬉しいです」
(了)