台湾の人気コメディアン、郭子乾がソウル市のホテルで大やけどを負ったトラブルをめぐり、韓国のホテルと裁判所の不当な対応に抗議する集会が5日台北駅構内で開かれ、台湾の芸能人ら80人が参加して郭子乾に声援を送った。「韓国は不当判決を撤回せよ!」。郭子乾(中央)を中心に台湾芸能界が立ち上がった。(現地取材協力・写真:吉川直矢)

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 台湾の人気コメディアン、郭子乾がソウル市のホテルで大やけどを負ったトラブルをめぐり、韓国のホテルと裁判所の不当な対応に抗議する集会が5日台北駅構内で開かれ、台湾の芸能人ら80人が参加して郭子乾に声援を送った。

 郭子乾によると昨年1月、ソウル市江南区の高級ホテルに宿泊した際、電気ポットの底部が抜け落ちて熱湯が右足にかかり大やけどを負った。仕事を一時中断せざるを得ないほどだったが、ホテル側は謝罪も賠償もしないどころか、医療費の負担すら応じなかった。

 郭子乾はホテル側に賠償を求める民事裁判を起こしたが、韓国の裁判所はこの8月、「提出された証拠は偽造が疑われる。電気ポットを正しく使用しなかったためにやけどを負ったのに、ホテルに罪をなすりつけようとしている」という理由で郭子乾の訴えを却下したのだった。

 郭子乾は抗議集会で「事実をねじ曲げ、私の人格を踏みにじった」と判決を強烈に批判。「こうした判決が前例として残れば、台湾人は今後韓国でトラブルに遭っても身の安全が何一つ守られない」と訴えた。

 集会には余天や曽国城、李李仁ら台湾の人気芸能人が多数参加した。このうちベテラン歌手の賀一航は「スポーツの審判など韓国に愛国者が多いのは構わないが、外国を貶めるのはやめてほしい」と話した。

 会場では2000人以上の抗議署名が集まった。今後1万人を目標に集め、郭子乾が韓国の上級裁判所に上訴する際に提出するという。

 集会に参加した40歳の一般女性は、「判決はあまりにも台湾人を見下している。こういう事件が起こると、今後旅行先に韓国を選ぶか考えてしまう」と話した。(編集担当:宮城英二、現地取材協力・写真:吉川直矢)