3安打全てを逆方向へ運んだ長田涼太がチームを引っ張り浦添商がベスト8へ進出

セーフティーバントを試みる浦添商・長田涼太

　「同点とされてベンチが一瞬沈んだ感じになったので、あのイニングは絶対出て帰ってこようと」と、浦添商の斬り込み隊長である長田涼太は3回を振り返った。

　初回にニ死二塁から喜納政斗のレフト前で先制した浦添商だったが3回表、ニ死二塁から桃原雅史と砂川雅光の連続ヒットで那覇商に同点とされてしまう。　冒頭で触れたその裏、ワンアウトから長田がレフト前へ運ぶと四球で一、二塁。ここで打球はセカンドゴロ。4-6と渡るはずだったが僅かにタイミングが合わず、那覇商にとっては痛恨の送球エラー。　それを見た二塁走者の長田が「僕の足とバットでチームに勢いを与えたい」と本塁へ生還し再びリードを奪った。　絶好調の長田はこの日3安打。その全てが「狙った」（長田涼太）というレフトへの流し打ちであった。その後、儀保尊大（ぎぼ・たかひろ）が左中間へ2点二塁打を放ち3点を刻んだ。

　7回にはエラーの走者を犠打で進め再び儀保が、今度はライトへ貴重なダメ押しとなるタイムリー。ワンヒットワンエラーで一死三塁となおも追加点のチャンスだったが、ここは上手く読んでいた那覇商バッテリーが外し見事スクイズを阻止した。

　　浦添商は二試合連続完封の砂川優士ではなく仲里竜介が先発。　「他の三人にも投げさせておきたかった」という宮良高雅監督の意向もあり、宮城清主（みやぎ・きよかず）と天久太翔（あめく・たいと）のリレーで力のある那覇商打線を分断。最少失点のみで切り抜け2年振り14度目のベスト8進出を果たした。

　那覇商は桃原と砂川の1、2番コンビが共に2安打。4番大城彪叶が3安打（1二塁打）と、上位打線が力を発揮するなど、日頃の成果を存分に見せてくれた。今後はその長所を消すことなく、個々の守備力を強化することがさらなる高みへと進む道だろう。

（文・写真：當山 雅通)

那覇商TEAM浦添商守備位置氏名打順守備位置氏名一塁桃原雅史1番中堅長田涼太中堅中島樹一郎2番二塁大城 匠遊撃與那嶺光3番一塁比嘉勇希右翼大城彪叶4番左翼喜納政斗捕手山入端 竜5番右翼儀保尊大三塁上原賢也6番捕手前田光晴二塁宮里貴明7番三塁新里龍平投手浦崎安鷹8番投手仲里竜介左翼金城匡信9番遊撃具志堅裕弥