1回に2点先制タイムリーを放った柴田の5番・松崎

柴田が14安打で準決勝へ

柴田が11対4で仙台南を下し、準決勝に駒を進めた。

先攻の柴田は1回、1番・小田将伍がショートの失策で出塁。2番・葛西健斗が犠打を決めると、3番・佐藤 弘基がレフト前ヒットで続いた。4番・宗片直輝は死球で一死満塁とし、5番・松崎賢太がセンターオーバーの2点タイムリー二塁打。一死二、三塁になり、6番・佐藤優悟がセンターに犠牲フライを放って1点を追加した。

その裏、仙台南は1番・及川輝がエラーで出塁。2番・清野純平の犠打で一死二塁とすると、3番・後藤翼がレフト線へタイムリー二塁打。さらに4番・小池智己がレフトオーバーのタイムリー三塁打を放つと、5番・渡辺允基のレフト犠牲フライで生還。あっという間に同点に追いついた。

2回以降、互いにゼロ行進。それが4回、仙台南は二死から8番・田中光がレフトのエラーで出塁。9番・大友貴裕がライト前ヒットで続いて二死一、三塁とした。ここで柴田は先発の右腕・下塚速風に代えて、左腕の及川大輝を投入した。しかし、1番・及川がレフト前タイムリー。仙台南が勝ち越した。

だが、それもつかの間。直後の5回表、柴田が反撃に出る。ヒットや四球で二死満塁とし、5番・松崎が走者一掃のタイムリー二塁打。さらに、6番・佐藤 優もレフトへタイムリー二塁打を放ち、この回、4点を挙げて突き放した。6回にも佐藤 優、7番・庄司倖太朗の2点タイムリーで追加点を奪った。

5回、二死満塁で走者一層の二塁打を放った柴田の松崎

8月31日に行われた南部地区予選の2回戦で両校は戦っている。この時は5対4で柴田が勝った。仙台南はリベンジを誓って練習に励み、県大会の組み合わせが決まってからは、互いに勝ち進めば準々決勝での再戦が実現するため、そこを目標にしてきた。再戦は実現したが、地区予選で1点だった差はこの日、7点に広がってしまった。

五十嵐進悟監督は「打たせてはいけない松崎君の前にランナーを溜め、彼の大好きなボールを投げてしまった」と悔やんだ。柴田の各打者が地区予選とは狙い球が違っていたとも話し、最後は「両打力の差ですね」と、ここぞの場面で長打を浴びた点を振り返った。それでも、「同じ地区なのでまた目標ができました」と前向きに捉えた。チームにとって6年ぶり、1、2年生にとっても春秋通じて初の県大会は実りがあったようだ。

(文=高橋 昌江)