滝川第二vs篠山鳳鳴 こいつなら大丈夫と信頼される投手になりたい
田中健太投手(滝川第二)
こいつなら大丈夫と信頼される投手になりたい
滝川第二が6回コールドで大勝。3回戦進出を決めた。
12安打で10得点を挙げた打線の勢いに乗って、エース・田中健太(2年)が完封を果たした。「ブルペンでの球質は良かったのですが、実際に試合に入ると球が浮いてしまって、思うようなピッチングができなかった」と振り返った田中。1回戦(出石戦)と同じ1安打完封だった田中だが、思うようなピッチングができないと感じていたのは立ち上がりにある。
この日も一死から2つの四球と守りの乱れで満塁のピンチを背負った。「力が入りすぎてしまって、いつものリリースポイントとは全然違った」と田中は原因を探る。
ただ、ここからは「1点も与えない」という強い気持ちで押し切った。篠山鳳鳴の5番明田健士朗(2年)に対しては内角を思い切って攻め、思わず手が出たバットに当たって弱いピッチャーゴロ。続く6番江角優(1年)に対しては、フルカウントにまでなったものの、外角低めの直球で見逃し三振に切った。
「1アウト満塁には結構なるので、慣れていたというか、いつも通り気持ちで抑えようと思いました」と田中。1年夏には甲子園を経験し、誰よりも場数を踏んできたという自信もこの場面でのピッチングにこもっていた。力みが少なくなり、コントロール重視になった2回以降は、スイスイと投げて6回で試合を終えた。
「監督や周りの選手から、こいつなら大丈夫と信頼される投手になりたい」とこの夏の敗戦時に感じた左腕。174センチ80キロの体は当時より一回り逞しくなった。一度は崩したというフォームも、常にセットポジションにしたことで勝つ為への安定感が生まれている。
第2試合の結果で、次の3回戦の相手が神戸国際大附に決まった。「相手は格段に強くなる。でも打線が打ってくれると信じているので、自分は気を引き締めて抑えることだけを考えたい」と目を向けた。
(文=編集部)