夏の覇者 横浜が粘る慶応義塾を振り切り、準決勝へ進出! 

本塁打を放つ活躍を見せた名幸(慶應義塾)

 気温30度の暑さのなか、試合は序盤から動いた。 先攻の横浜は、慶應義塾の先発・原田の立ち上がりを攻めた。2番渡辺と3番浅間 大基がともに内野安打で出塁し一死一、二塁とすると、4番高濱がタイムリーツーベースを放ち、まず1点を先制。 続く5番松崎がセンター前に弾き返し1点を追加、さらに6番山口のセカンドゴロの間に3点目を奪った。

 一方の慶應義塾も、立ち上がりの不安定な横浜の先発・伊藤 将司を攻めた。1番の柳町が出塁すると、2人倒れたあと4番の名幸がレフトへ本塁打を放ち2点を返した。 その後は両エースが立ち直り、力投を見せる。何度かピンチを招くものの要所をきっちり締め、7回まで無失点ピッチングを続けた。 この間、横浜は5回表に、二死満塁のチャンスを作るも慶應義塾のエース原田に抑えられ、一方の慶應義塾も7回裏に二死一、二塁のチャンスを作るも横浜のエース伊藤 将司に潰された。 再び試合が大きく動いたのは、8回裏だった。

 攻める慶應義塾は、2番宮田が無死からレフト前ヒットで出塁。続く3番山本が犠打で宮田を送ると、4番の名幸が四球を選び出塁。さらに、代打の井原も四球を選び一死満塁とする。するとこのチャンスに6番三枝が走者一掃のタイムリーツーベースを放ち3点を追加、ついに5対3と逆転に成功した。

 

4番 高濱(横浜)

 だが、試合はこのままでは終わらなかった。 9回表、横浜は一死から代打高井がセンター前に弾き返し出塁。その後二死となるも、1番川口と2番渡辺がともにタイムリーツーベースを放ち2点を追加、9回の土壇場で再度試合を振り出しに戻した。 さらに延長10回表、9回から入った須澤が左中間にスリーベースを放ちチャンスを作ると、エース伊藤に代わって入った小田 隼右がきっちりとスクイズを決め、6対5と勝ち越しに成功。結局これが決勝点となり、王者 横浜が粘る慶應義塾を振り切った。

 勝利した横浜は、10月5日に保土ヶ谷・神奈川新聞スタジアムで、第1試合の勝者・東海大相模と準決勝を戦う。くしくも夏の予選準決勝と同一カードとなるこの試合、横浜が再び東海大相模を下すのか、あるいは5試合で47得点を叩き出した東海大相模の打線が爆発するのか。いずれにしても注目の一戦となる。

(文=編集部)