都立四商17得点で勝利!つばさ総合も最終回に意地をみせる 

3番田代(都立四商)

 この夏、初の単独チームで公式戦出場を果たした都立つばさ総合が、秋は都大会進出の切符をかけて、都立四商に挑んだ。 初回、2回表と、都立つばさ総合の先発・榊原は、先頭打者を四球で歩かせるも、ランナーを出してからは落ち着いた投球でピンチを凌ぐ。 しかし、3回。都立四商打線が、じわじわと榊原を攻め始める。

 都立四商の1番神宮がレフト前への二塁打で一死二塁とすると、2つの内野ゴロの間に、まずは1点を先制。4回には、都立四商の4番圖司、5番根本の連打に、守りのミスも絡んで2点を追加。 さらに、5回、1番神宮が四球を選ぶと、2番神谷のサードへの安打で無死一、二塁。ここで、3番田代がレフトへの二塁打を放ち、走者2人が生還。さらに、都立四商は、この夏、徹底的に練習を重ねてきた「バント」で手堅く、得点を小刻みに積み重ねていく。

 一死一、二塁から、6番佐野が初球から見事に犠打を決めて、二走の田代が三塁へ進むと、そのまま一気にホームに突入。前半を終えて、6対0と都立四商が試合を大きくリードする。

 6回には、7番田中佑の二塁打で1点。都立つばさ総合の先発・榊原の疲れが見え始めた7回にも、都立四商打線の勢いは止まることなく、マウンド上のエースを襲う。

 この回、都立四商は二死二、三塁の場面から、7本の安打と、4四死球、5盗塁で一挙10得点を追加。 7回表が終わって、0対17と突き放された都立つばさ総合だったが、その裏、意地をみせる。 先頭の3番・小余塚が四球で出塁すると、5番榊原の左前打でチャンスをつなげる。一死一、二塁から、6番川瀬優のレフトへの二塁打で、走者2人が還って2点を返す。都立つばさ総合の反撃はここまでとなったが、夏に続いて、秋も初めての単独出場を果たしながら、ブロック予選で1勝し、さらに代表決定戦の都立四商とのゲームスコアに爪痕を残せたことは、大きな経験となった。

 

先発・榊原(つばさ総合)

 勝利した都立四商のレギュラー選手たちは、夏のスタメン出場経験はない。この夏は、キャッチボールや素振り、バントなど野球の基礎基本を徹底的に鍛え上げてきた。秋季大会前に臨む前に、「夏やってきた練習を試合で出していくだけ」とチームで約束し、この日も、その練習の成果をしっかりと発揮した都立四商ナイン。 投手陣も、先発した1年生の佐野は、公式戦初のマウンドとなったが、期待に応えるピッチングをみせた。また、6回からマウンドにあがったエースナンバーを背負ったアンダースロー投手の石川も、計算できる投手。打線も、好調なだけに都大会での勝ち上がりにも期待したい。

 また、都立つばさ総合は、僅か14名の部員で戦い抜き、ブロック予選1回戦では延長11回を制した。この日も、10点を失った直後の7回裏の攻撃では、諦めず2点を奪取した。夏よりも大きく成長した姿をこの秋はみせた都立つばさ総合。冬に再び鍛え直し、来春へ向けさらなる成長を誓う。

(文=編集部)