東陵vs東北
東北のエース・谷津
延長にもつれこんだ試合は、延長11回表に6点を奪った東陵が12—6で東北を下し、決着が付いた。
先制したのは東北だった。1回裏、1番・須藤 健也が四球、2番・夏井 脩吉が送って一死二塁。3番・鈴木 聖歩がライト前ヒットで続くと、すかさず盗塁を決めた。4番・石井 昭仁はキャッチャーフライに倒れたが、5番・芳賀 友喜がセンター前に弾き返して2人が生還した。
一方の東陵は3回に一死から連打が出て、2番・工藤 翔が犠打を決めたが3番・伊藤 匠哉がレフトフライに倒れてチャンスを逃した。4、5回と、東北の右横手投げエース・谷津 龍汰に三者凡退に抑えられて好機すら作れなかった。
6回表、東陵は1番・山崎 誠悟がセンター前ヒットを放って、この日初めてのノーアウトのランナーを出したが、2番・工藤がスリーバント失敗。3番・伊藤の四球で歩くも4番・小林 壱聖がショートゴロに打ち取られ、ゲッツーで凌がれた。そうしているうちに6回裏、東北は9番・谷津、1番・須藤が連続四球、2番・夏井が犠打を決め、二、三塁とすると、3番・鈴木 聖がスクイズを決めて貴重な1点を追加した。
しかし、直後の7回表、東陵は5番・伊藤 宅人が四球、6番・白石 雅嗣はファウルで粘った後、四球で出塁する。途中出場の7番・梅木 雅也が犠打を決めて一死二、三塁として8番・柴田 雄祐がライト前タイムリー。一死一、三塁で9番・佐藤が三塁線にスクイズを決めて1点差に迫った。東北はここで先発・谷津から左腕・福田 恭平に交代。1番・山崎をショートゴロに打ち取って追加点は許さなかった。
8回、東陵の工藤はヘッドスライディングで生還
東北は7回裏に二死から2連続死球で走者を出したが得点に結びつけられず、8回表、ついに逆転を許した。東陵は2番・工藤が四球の後、暴投で二進。3番・伊藤はセカンドゴロだったが、インターフェアとなり、無死一、二塁とした。ここで東北はピッチャーを庄司 恭啓、キャッチャーを高谷 竜雅に代えた。試合が再会すると4番・小林は2ストライクからスリーバントを決め、一死二、三塁。5番・伊藤はスクイズでサード前に転がすと、東北のサードがキャッチャーに送球。だが、間一髪、ヘッドスライディングでホームに突っ込んだ三走・工藤の方が早かった。この後、東北のミスが続く。結局、東陵はこの回、打者9人、ノーヒットで4点を挙げた。
6—3と試合をひっくり返された東北はその裏、一死一塁で3番・鈴木 聖がライトオーバーのタイムリーを放って1点を返すと、一死満塁から6番・上村 京久がライト前に2点タイムリーを放って同点に追いついた。
9回、東北は4番手となる鈴木 優佑をマウンドに送る。一死からライト前ヒットを許し、4番・小林にはレフトフェンスギリギリの大飛球を打たれたが、5番・伊東のセンター左の打球をセンター・鈴木 聖が好捕。バックにも助けられて無失点で切り抜けた。
東陵もピッチャー交代。佐藤 洸雅に代わった2番手。岡本 直己は四死球を与えながらも無失点で凌いだ。
6—6のまま進んだが、11回表、東陵が大量得点を奪う。1番・山崎が四球の後、犠打で二塁に進むと、3番・伊藤のライトオーバーの二塁打で勝ち越しのホームイン。4番・小林の打球はセンターの横を抜けていき、こちらもタイムリーに塁だ。さらに四球が2つ続き満塁。7番・梅木はファーストライナーに倒れたが、8番・柴田 優祐が四球で押し出し。なお、満塁で岡本がレフトへ走者一掃の三塁打を放ってとどめを刺した。
その裏、最後はファーストゴロに打ち取ってゲームセット。東陵のヒット数は11本、東北は8本。四死球は東陵が11個で東北は14個。残塁の多さも目立つ大味なゲームだった。
東陵は準々決勝で、東部地区予選準決勝で6—7と競り負けた石巻と戦う。
(文=高橋 昌江)