高知中央、落ち着き払って明徳義塾への挑戦権獲得! 

高知中央先発・橋口幸聖(2年)

 雨天順延により平日開催となったこの一戦。静かな球場にこだまするのは、高知中央控え部員の声援と、中村ベンチの自らを鼓舞の声が大半であった。

 だからといって高知中央に元気がないわけではない。大会直前に追加登録された背番号「18」の先発・橋口幸聖(2年・右投右打・176センチ65キロ)は、レッドスターベースボールクラブの先輩・田川 賢吾(東京ヤクルト)そっくりのフォームから中村打線を打ち取り115球5安打8奪三振1失点完投。終盤に4四死球を与える(計5四死球)課題は残ったが、2試合13回を自責点0は合格点の働きである。

 また、打線も明らかに体の切れ味が増した4番・麻生 涼三塁手(1年・右投左打・178センチ80キロ・倉敷南ボーイズ出身)を中心に中村投手陣から13安打に加え8四死球を選び計7得点。夏までは経験不足を声を出すことで補おうとしていたベンチ入りメンバーも落ち着き払って的確な声を出していた。

 5月の県総体以降、思い切って下級生中心にメンバーを入れ替えた角田篤敏監督のチームマネジメントがここに来て名実共に功を奏してきた感のある高知中央。0対6と完敗に終わった選手権高知大会準決勝以来となる準々決勝・明徳義塾との再戦で、彼らが何を出しきれるかが今から楽しみになってきた。

(文=寺下 友徳)