シリアの化学兵器使用疑惑 アサド大統領は疑惑を否定

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3600人が神経毒性症状を

アサド政権と反体制派の間で内戦が続くシリアで21日、化学兵器が使用されたとの疑惑をめぐり、国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は24日、ダマスクスにある3つの病院で3時間の間に約3600人が神経毒性症状を示し、そのうち355人が死亡したと報じた。

米国や他の西側諸国の政府は、アサド政権軍が化学兵器を使用したとの疑いを強めている。アサド大統領は、「自国民に対し化学兵器を使用するはずがない」として、欧米政府の非難を否定している。

Image:by FreedomHouse

国連による現地調査

シリア政府は25日、化学兵器使用疑惑に対し、国連の現地調査を受け入れることで合意した。調査は26日から始まり、国連によると、同国政府は被災地での停戦を約束したという。

国連の現地調査の結果いかんによっては、米英仏による軍事介入が予想される。英ヘイグ外相は、「すべての情報は、シリア政府軍が毒ガスを使用したことを示している」と発表。仏オランド大統領も「政府軍による化学兵器使用を示す数多くの証拠がある」と語った。

軍事介入を警告

アサド大統領は、シリアへの軍事介入に対して米国を警告。ロシアの新聞「イズベスチヤ」に、「今、シリアで起こっていることは、市民革命でも改革の要求でもない。テロ行為だ」と語った。

ロシア外務省は「米国は過去の過ちを繰り返すべきではない」との声明を発表。イランも、軍事介入があった場合は「深刻な結果が待ち受けている」と米国を警告した。

▼外部リンク

ツァイト誌(Zeit Online)
http://www.zeit.de/politik/

国境なき医師団のプレスリリース(ドイツ語)
http://www.aerzte-ohne-grenzen.de/presse/

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