1300万画素ってスマホに必要?スペック競争は意味がないスマホカメラの今後

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スマートフォン(スマホ)でもっとも利用されている言える機能の一つにカメラ機能があります。高画質化が進みAndroidスマートフォンでは1600万画素を超えるカメラ機能を搭載した機種も増えてきました。ショップや量販店などでも高画素カメラをセールスポイントにした機種をよく目にするという人も多いことでしょう。

例えば、使いやすいカメラ機能で定評のある「iPhone 5」(アップル製)に搭載されているカメラは800万画素程度のカメラです。一方、Androidスマートフォンでは「Xperia A SO-04E」(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)をはじめとして、シャープ製の「AQUOS PHONE」シリーズや、パナソニック製の「ELUGA」シリーズなど、1300万台の画素数を誇るカメラを搭載している機種が主流となってきており、「ARROWS NX F-06E」(富士通製)にいたっては、約 1600万画素のカメラを搭載するなど、画素数だけみればコンパクトデジタルカメラやデジタル一眼レフカメラにも劣らないほどのスペックです。

しかし、本当にスマートフォンに1300万画素のカメラ機能が必要なのでしょうか?


■スマホのカメラはデジカメのような高画質化は難しい
カメラの画質についてざっくり言うと、画像を記録するフィルムに相当するCMOSなどの「撮像素子」、「レンズ性能」、「画像エンジン」の要素で決まります。

画素数は、撮像素子の画質を測る1つの目安ですが、画素数が高いからと言って必ずしも画質が良くなるわけではありません。撮像素子には大きさがあり、大きいほうがより多くの情報を受け取り記録することができます。つまり、同じ画素数でも撮像素子が大きいほいうがキレイな画像を記録できるわけです。

カメラの画質は、レンズによっても大きな差がでます。画像を記録する撮像素子に十分な光(情報)を届けるための入り口であるレンズは、大きく明るい(光の透過率がよい)方が優位となります。つまり、高画質の写真を撮影するためには、大口径で透過率のよいレンズで情報を多く取り入れなければ高画質な画像は記録できません。

しかし、スマホは小型軽量な本体という制限から、大きな撮像素子や大きなレンズを搭載できないという宿命があります。実際にスマホに搭載されているモバイル向けのカメラモジュールは極めて小さいです。そのため、画素数を上げて、スマホに搭載する画像エンジンや内部のソフトウェアによる処理をするなどして画質を向上させようという手法が多くとられています。

小さなカメラモジュールでありながら、非常に高画質な写真が撮影できるようになっていますが、“レンズの大きさ”という物理的な制限があるスマホではデジタルカメラのような高画質を獲得するのは難しいのです。加えて、内部処理で画質を上げる手法のため、例えカメラモジュールが同じものを使っていたとしてもスマホの製造メーカーにより、画質の差が生じることも避けられません。


■スマホでキレイにみられる高画素カメラのメリット
画素数が上がると、画像サイズが大きくなります。iPhone 5の800万画素でも画像サイズは3264×2448ピクセルと、iPhone 5の画面解像度1136×640ピクセルを超えています。また、Xperia A SO-04Eの1300万画素の画像は4128×3096ピクセルと、画面表示の1280×720ピクセルを大きく上回っています。

当然、スマホの画面での表示はオリジナルサイズではなく、縮小して表示されるため細部の描写の粗さなどは目立ち難くくなり、“見かけの画質”は上がったように見えます。またHD液晶テレビやパソコンモニタに出力した際も、縮小表示となるため似たような効果があります。


■スマホの用途での高画素カメラのデメリット