画素数があがることのデメリットは、データ容量の肥大化です。iPhone 5の800万画素でも1枚で約2MB前後になります。Androidスマートフォンでは、JPEG保存の圧縮率で機種により差はありますが、iPhone 5より大きなデータ量になるケースも多くなります。

そこで困るのが、メールでの送信やSNS投稿です。TwitterやFacebookなどのSNSへの画像投稿でアップロードに時間がかかります。通信状況によってはアップロードに失敗するケースも少なくありません。
また、メールの場合はもっと深刻で、容量オーバーで複数のデータが送れなかったり、大きなファイルを送信して送り先の相手に迷惑えかけたりするケースもおきてしまいます。

用途にあわせて画像のサイズを変更したり、普段から撮影サイズを小さくしたりすればいいのですが、大半の人は最高画質で保存しておきたいという気持ちがあったり、デフォルト(初期値)のままで設定自体いじったことがなかったりといった人がほとんどでしょう。

対策としては、メール送信やSNS投稿時に、画像縮小をするツールを使うことです。Androidスマートフォンには、共有>image Shrink Lit>SNS といった1つ手順を入れるだけで縮小した画像をアップロードできるツールもありますので、試してみるとよいかもしれません。

image Shrink Lit
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.gmail.anolivetree.imageshrinklite&hl=ja

なお、最近では、サイズオーバーの画像をアップロードした場合、エラー表示されず、ブログやSNS側で自動的にサイズを変換してアップロードできるようにもなってきています。この場合、ユーザーは元データのままアップロードできていると“思い込んで”しまいますが、アップロードした画像をよく見てみるとデータ量や画質が下げられています。

こうなってくると、そもそも元データをアップロードしたい場合はどうしたらいいの?という別の悩みも出てきます。


■スマホは800万画素でもオーバースペック?
1300万画素のような高画素は、プリントアウトなどの出力では有効性もありますが、ネットでの利用が中心という使い方であればデメリットも多く、本来優位であるはずのスペックが“オーバースペック”となり、必ずしもユーザーメリットとは言えなくなります。

実際の利用では800万画素クラスで十分と言えます。今夏モデルとして登場したHTC製の「HTC J One HTL22」は、メインカメラの画素数は約400万画素です。

画素数だけ見ると、他のスマホに比べて低く、ネガティブ要素と思わますが、実は、撮影素子の大型化による光の取り込み量が大幅にアップされていることや、明るいレンズを採用することで、暗い場所での撮影においてもノイズ軽減できるようになっています。つまり、“画質を向上させた結果400万画素になった”とも言えます。これまでの「画素数=画質」という考え方と真逆の方法が使われているのです。

また、「HTC Zoe」のような“スマホでなければできないカメラ機能”により、撮影した写真をもっと楽しむ、撮った後にどう利用していくかということも提案しています。実は、画素数による競争は既に役目を終えており、スマホならではの“撮影した写真をより楽しむ機能”という方向に向かっているように思えます。こうした背景から、「画素数=画質」という思考はそろそろ捨てる時期にきているのではないでしょうか。