涌井秀章投手の不振の原因と復調への道のり
さらに付け加えるならば、好調時と比べて今の涌井投手は、上半身を高い位置で使ってしまっている。これをもう少し低い位置で使うようにしなければ、せっかく作り上げた強靭な足腰を使い切れないばかりか、スモーキースタイルを取り戻すこともできないだろう。そして強靭な下半身を使い切れていないばかりに、下半身で生み出したエネルギーが投球動作の途中で、体から投球方向以外の方向に逃げてしまっているのだ。それは右足部の動きを見れば一目で知ることができる。これもやはり、好調時の涌井投手の投球動作とは異なる点だ。
親のような立場で接することも必要だ。昨日見せた渡辺監督の涌井投手への怒りも、涌井投手への愛情や期待があってこそのものだ。だが今はそんな愛情表現よりも、涌井投手を知り尽くす渡辺久信投手コーチの腕の見せ所ではないだろうか。例えば渡辺監督が徹夜をしてでも涌井投手に付き添い、涌井投手の復調のサポートをしたならば、涌井投手自身も心中更に期するものが芽生えてくるだろう。2軍監督時代のように、涌井投手の首根っこを掴んで雷を落とすような、そんなスキンシップを絡めた、存在を近くに感じられるような渡辺監督の指導に筆者は期待を寄せたい。それがあるだけでも、涌井投手はきっと変わるはずだ。
Written by カズ(リトルロックハートベースボールラボラトリー/チーフコーチ)
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