「SHORT PEACE」 7月20日(土)ロードショー 配給:松竹
制作発表会見には、森本晃司、森田修平、岸啓介、大友克洋、安藤裕章、石井克人、カトキハジメ、田中達之の8名が出席。超豪華なメンバーだが、記者の質問は大友監督に集中した。記者からジブリの最新作についての質問をされ、「特に意識はしてないです。ジブリにはかなわないですからね」と笑いながら答える場面も。
(C)SHORT PEACE COMMITTEE (C)KATSUHIRO OTOMO/MASH・ROOM/SHORT PEACE COMMITTEE

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「AKIRA」の大友克洋を筆頭に、「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行、「機動戦士ガンダムUC」のカトキハジメら、日本アニメーション界のトップクリエイターが結集した劇場アニメ「SHORT PEACE」。
「日本」をテーマにした4本の短編&オープニングによるオムニバス作品で、3月22日に開催されたプロジェクト製作発表会には、各作品の監督やメインスタッフなど8人のトップクリエイターが登壇した。

大友克洋、9年ぶりの監督作品は、江戸を舞台にした「火要鎮(ヒノヨウジン)」。江戸の街が業火に焼き尽くされていく様を、一組の男女の悲恋と絡めつつ、スペクタクルに描いた約10分のショートフィルムだ。
「観てくれた人に『短い』って言われるんですよ。僕もあと5分は欲しかったんだけど、ダメだって言われて」と笑う大友監督。
「(他の作品で描かれることの少ない)着物の表現をしたかったけど、あまりCGに頼りたくもなかった」そうで、着物は、手描きの柄をテクスチャとして映像に貼り付ける形で表現。また、「古い絵巻物」をイメージした火事や煙の表現は、大きな見どころになりそうだ。

さらに、1981年に発表された「マンガ家・大友克洋」の代表作の一つ『武器よさらば』のアニメ化も、大友ファンにとっては嬉しいニュース。この作品は、ガンダムシリーズのメカニックデザインで知られるカトキハジメが、初めて監督に挑戦することでも、注目を集めている。
カトキ監督自身、「当時読んだ人にとっては、決して忘れられない作品。特にメカデザイナーで影響を受けてない人はいない」と語るほど思い入れの強いSFアクションの傑作が、どのようにアニメ化されるのか注目したい。

白クマと鬼の激闘をバイオレンスに描くというユニークなコンセプトの「GAMBO(ガンボ)」には、「おおかみこどもの雨と雪」のキャラクターデザインでも注目された貞本義行がキャラクター原案として参加。
カップヌードルのCMでもお馴染み「FREEDOM」の森田修平が監督を務める「九十九」は、モノノケの怪異をユーモラスに描いた作品とのことで、他の三作品とは、少し毛色の違う作品になりそう。

その他にも、「鮫肌男と桃尻女」の石井克人、「MEMORIES」の森本晃司ら数々のクリエイターがメインスタッフとして参加している「SHORT PEACE」。
この会見でも、公式サイトにアップされているトレイラー映像しか観られなかっただけに、公開日の7月20日が待ち遠しい。(丸本大輔)