もちろん、一野球ファンの立場で言わせてもらえれば、WBCでのアメリカ-キューバ戦には大いに魅力を感じるし、ぜひとも実現してもらいたい対戦カードだと思っている。ただ、それがすぐにでも実現できるとは全く思っていないし、正直そのハードルはかなり高いと思う。1次ラウンドからアメリカとキューバを同居させようと本気で考えるのであれば、新設の世界野球・ソフトボール機構(WBSC)が、MLBに代わってWBC主催者になれるくらいの状況じゃないと無理だろうね。もっとも、国際大会に大リーガーを派遣する口実が欲しいMLBは、絶対にそれを許さないだろうけど。

 スポーツの試合や大会が戦われるのは、何もダイヤモンドやピッチやリングの上においてだけじゃない。実際にはその外、マッチメイキングの段階において、物凄い労力が使われているんだ。その事実にはしっかり目を向けなければいけないし、そこを無視してただ「WBCでアメリカ-キューバやってくれよ」と叫ぶだけというのは、俺自身は浅はかな行為でしかないと思う。以前の記事でも書いたように、もっと複眼的な目で1つの事象を見て、それらを総合的に考慮しながら、自分の中で判断を下していくべきだということ。WBCに批判的なこの国の世論に対して、俺が言いたいのはやっぱりそれなんだよ。