2040年のFacebook(フェイスブック)/坂口 孝則
Facebookを使ったサイバーパンクとしての将来像予想。
あたしは、息子がパソコンをながめているのに気づいた。6歳になる息子マコトは、いつもパソコンとにらめっこしている。でも、今日は様子がいつもとちょっと違う。普通なら、パソコン・ゲームで世界のどこかの子どもとオンラインゲームに夢中だ。
だけど、今日はなんだかしきりにうなずいては、あたしのほうをときおり向く。「あー、やっぱり」といってはパソコンに振り返る。なんなのよ。いったい。
マコトが私を呼んだ。「ねえ、ママちょっと来てよ」
「なんなの?」
「フェイスブックってあるでしょう。ずっと昔から有名なあれだよ」
「それが?」
「この30年くらい、登録者のデータをたっくさん集めたらしいんだ。そのひとがどういうひとなのか。どう変わったのか。そして、どんなことを言っているのか」
「知ってるわよ、あたしだって、アカウントをもってもう20年くらいになるんだから」
「だよね、それでね、最近、そのフェイスブックのデータを使った面白いサービスがあるんだ」
マコトが見せてくれたパソコンの画面には、「究極のマッチングサービス」とあった。
「何よこれ?」
「相性占いっていうのがあるでしょう。普通なら誕生日とか、字画とか、そんなので占うみたいだよね。でも、このサービスでは、フェイスブックにこれまでそのひとが書き込んだコメントだとか、写真だとかをすべて分析するんだ」
「気持ち悪いでしょう。そんなのちょっと上手くできたゲームみたいなもんでしょう」
「いや、違うんだよ、ママ。これを見て……」
マコトが小さな指で、画面の中心を指さした。
そこには「男性と女性のIDをそれぞれひとつずつ選択いただければ、生まれてくる子どもの才能や外見を当てることができます」と書いてあった。
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あたしは、息子がパソコンをながめているのに気づいた。6歳になる息子マコトは、いつもパソコンとにらめっこしている。でも、今日は様子がいつもとちょっと違う。普通なら、パソコン・ゲームで世界のどこかの子どもとオンラインゲームに夢中だ。
だけど、今日はなんだかしきりにうなずいては、あたしのほうをときおり向く。「あー、やっぱり」といってはパソコンに振り返る。なんなのよ。いったい。
「なんなの?」
「フェイスブックってあるでしょう。ずっと昔から有名なあれだよ」
「それが?」
「この30年くらい、登録者のデータをたっくさん集めたらしいんだ。そのひとがどういうひとなのか。どう変わったのか。そして、どんなことを言っているのか」
「知ってるわよ、あたしだって、アカウントをもってもう20年くらいになるんだから」
「だよね、それでね、最近、そのフェイスブックのデータを使った面白いサービスがあるんだ」
マコトが見せてくれたパソコンの画面には、「究極のマッチングサービス」とあった。
「何よこれ?」
「相性占いっていうのがあるでしょう。普通なら誕生日とか、字画とか、そんなので占うみたいだよね。でも、このサービスでは、フェイスブックにこれまでそのひとが書き込んだコメントだとか、写真だとかをすべて分析するんだ」
「気持ち悪いでしょう。そんなのちょっと上手くできたゲームみたいなもんでしょう」
「いや、違うんだよ、ママ。これを見て……」
マコトが小さな指で、画面の中心を指さした。
そこには「男性と女性のIDをそれぞれひとつずつ選択いただければ、生まれてくる子どもの才能や外見を当てることができます」と書いてあった。
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