組織の力を上げていくことがマネジメントの大きな役割である。


経営の神様と謳われたドラッカーは、名著「マネジメント」で、
マネジメントの定義を次の3つで説明した。

(1)自らの組織に特有の目的とミッションを果たす
(2)仕事を生産的なものとし、働く人たちに成果を上げさせる
(3)自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに、社会的な貢献を行う

2人以上の人間が集まった時、そこに組織が誕生するわけであるが、
最小単位の2人であれ、10人であれ、1万人になればなおさらのこと、
ただ集まるだけでは、集団の総員の力が総和として発揮されることはなく、
むしろせいぜい6掛け7掛けどまりに減退してしまう。

人は育った環境が違い、考え方と価値観が違う中で、思い思いの行動を取り始め、
大いなる無駄も生じることとなるか、収拾のつかない事態になることもある。

集まっただけで力が減退していくのでは、いわゆる烏合の衆となってしまうが、
そうならないように、最低でも集団の人数分の力を発揮するか、
願わくばそれが1.5倍、2倍、3倍の発揮となるように、
組織の力を上げていくことがマネジメントの大きな役割である。

マネジメントの役割が、よくオーケストラの指揮者に例えられることがある。
各パートの力量がどんなにあったとしても、曲全体の方針を決め、
その方針のもとで全体を指揮することがなければ、そこそこの曲にはなっても、
人を感動させる演奏は難しい。

比喩としては分かりやすいものであると考えるが、
企業の組織とオーケストラの指揮者の大きな違いは、オーケストラで言えば、
作曲(商品開発)にも、楽団員(奏者)の一からの教育(社員教育)にも、
楽団の運営資金(財務・経理)にも、演奏する機会創出(マーケティング・営業)にも、
全て精通し責任を持たなくてはいけないという点である。

地方のオーケストラの指揮者で、相当な守備範囲で活躍されている方が
続きはこちら