昨年、地方の高校生がイジメ現場を携帯で撮影、その動画をネット上にアップしたところ、多くの人が閲覧してしまうという事件が発生した。たとえ仲間内しか知らなかったはずのアドレスでも、それが一旦アップされてしまえば世界中からアクセスすることができる――、こうした危機管理の欠如がもたらす“被害”は、ツイッターやブログなどで毎日のように繰り返されている。

 この「イジメ動画」事件に関しては、事の重大さを認識できていない高校生=子供の暴走と受け止められているが、一方では「イジメをした生徒も顔が晒(さら)されて特定された。彼らも被害者だ」という声も上がった。

 はたしてどちらも“被害者”といえるのだろうか? 『2ちゃんねる』元管理人のひろゆき氏は、今後も増え続けることが予想されるこうした事件について、「そもそも僕は子供がネットを使うのには反対です」と主張する。

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【ひろゆき】親が責任を持って、自分の子供に「ネットを使ってOK」と言えるならいいんですけど、親がネットで起こり得ることを理解していない状態で、子供にネットを使わせるのは良くないと思うんです。ネットって利用者が大人だろうが子供だろうが区別しないじゃないですか。例えば子供が問題を起こして本名がネット上に出たとすると、一生ネット上に名前が残ることになる。だから、リスクが大きいんですよね。

――削除要請で特定のページから情報を消すことができても、すでに別サイトに転載されていたら意味がない。騒ぎが大きくなればなるほど、転載は広がりすべての情報を抹消することは不可能といえる。

【ひろゆき】だから、親がそういう事態が起こることを理解していて、子供にきちんと教えているならいいんですけど……。例えば、SNSでゲームをやっている女のコたち100人くらいに「3万円払うからパンツちょうだい」とメールを送ったら、たぶん5人くらいは引っかかると思うんです。それがきっかけで援交が始まったりもする。ネットは大人が子供を釣ることが簡単なので、親がちゃんと監視するか、「この子は大丈夫だ」っていう子供以外には使わせないほうがいいんです。

――ただ、ネットが持つ危険な一面を理解していないのは、いわゆる18歳以下の子供だけに限らない。

【ひろゆき】大人も子供もやってますね。基本的に大人だろうと子供だろうと、バカな人はバカですから。ただ、子供ってバカなことを経験しながら学んでいくじゃないですか。でも、ネットだと子供のときに経験するバカなことが、一生の汚点になり得る。

――ひろゆき氏が言うように、これからは幼少時代から「ネット教育」が必要な時代になるかもしれない。

(取材/杉原光徳、撮影/本田雄士)

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