HP、webOS のオープンソース化を発表

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hp が PC 部門の切り離し検討と、webOS 製品の終了を発表したのは8月のこと。CEOの交代を経て、一転し PC 事業の継続を明らかにしたのが10月の話。そして米国付け9日、新 CEO のメグ・ホイットマン氏は「あらゆる選択肢を検討した」結果、 webOS をオープンソース化することを明らかにしました。Palm に源流を持つ webOS は、ややこしい歴史を経て、外部の開発者と共に未来を目指していくことになります。ホイットマン氏に言わせれば「webOS はモバイルで、クラウドベースで、スケーラブルになるよう一から設計された、ただひとつのプラットフォーム」であり、iOS と Android が市場を牽引し、オープンソースという文脈では(Androidを除いても) Maemo / Moblin あらため MeeGo あらため Tizen のような選択肢がある今日でも、まだまだ価値を持つという見方です。

オープンソース化ののち hp は手を引くというわけではなく、同社は引き続きコミュニティをサポートし、「分断を防ぐよう、良質で透明で包括的な管理を行う」方針。関連するアプリもあわせてオープンソース化されることが発表されています。ただし、ハードウェア面については、オープンソース下での開発が「次世代の端末やアプリ、サービスの基礎となる」と説明されているだけで、実際に同社や他の企業が webOS が動作するスマートフォンやタブレットを今後発表するかどうかは不透明です。当初 hp は、webOS をプリンターや PC にも活用する方針でした。

オープンソース化すれば開発者が集まり、新機能がどんどん加わって素晴らしい OS になる、という単純な図式を信じる人はもはやいないでしょう。モバイル OS は、ただでさえ開発者の奪いあいが激しい分野です。また一口に「オープンソース」と言っても、ライセンス形態や、コミュニティの体制など、その具体性については、まだまだ疑問点があります。それでも、洗練された webOS の資産がこのまま消えていくよりは、ずっと良い選択だったと言えるのではないでしょうか。「webOS 使ってみた」運動が盛り上がり、改変 webOS を自在にインストールできる高機能端末が販売されるようになれば、なかなか面白くなりそうです。

続きにはホイットマンCEOの社員向け発表文と、プレスリリースを掲載。今後の展開については、リンク先の開発者ブログで公開されていく見込みです。