TCS_171



家電チャンネルではGM管式に限らず、広く放射線計測器の情報をお届けしている。
原発事故の影響は日々広がっていくばかり。不安のあまり、家庭用の放射線計測器を食物に当ててみる人も多いようだ。一般的に食物に含まれる線量を検知できるほど感度の良いNaI(TI)シンチレータ搭載のものは数十万〜百万円台。これらは完全にプロのための機械だ。一般には値段を公開されていないものも多いし、使いこなすにも専門知識を要する。それでも、目の前の食物が汚染されているかいないかなど、大まかに知りたいという人のために、あくまでも参考として高感度機種をご紹介しよう。日立のALOKA TCS-171Bおよび172Bは、本体と電池合わせて約1.5キロと大型で、一般の家庭が購入するケースは稀だ。真剣に検討したい場合はメーカーに問い合わせるのがいいだろう。

■低線量を敏感に検知するシンチレータ式計測器
ガンマ線のみを検知し、測定範囲は以下のとおり。ガイガーミュラー管を使った計測器よりも、低線量を非常に精密に計測する用途に向いている。

1cm線量当量率 バックグラウンド〜30μSv/h
吸収線量率 バックグラウンド〜30μGy/h

バックグラウンドとは―放射線測定の際の、測定対象以外からの放射線。 宇宙線 や天然の放射性物質などに起因する。

1cm線量当量率とは―透過率の高いX線及びガンマ線を人体組織が受けた場合、被ばく線量がもっとも高いのは人体表面ではなくて、臓器など重要組織のある深さ。空間線量率測定結果より高めにでるのが特徴。

吸収線量率とは―放射線の量を物質が放射線から吸収したエネルギー量で測定した数値。

■電源系統・サイズともにヘビーデューティー
失敗を許されないプロ仕様だけに、電源は3系統もある。

一次電池 : 単2形アルカリ乾電池×4
二次電池 : リチウムイオン二次電池(専用充電器が必要)
またはACアダプタ(AC100V 3VA)

電池寿命や寸法から、あきらかに「ここに放射性物質がありますよ」と分かっている実験室などで、時間を区切って使うのに向いている。いつ起きるかわからない原発の放射能漏れに備えて、常に持ち歩くポケット線量計とは対照的な仕様だ。

電池寿命 連続30時間以上(一次電池)
連続10時間以上(二次電池)
外形寸法 約(w)11×(D)22×(H)16 cm

食品汚染の検出に必要な条件、なんとなくイメージできただろうか。ベラルーシのように、地元の学校の物理教師すべてがトレーニングを受け、いつでも地元の人が持ち込む食物を計測してくれるようになったら、風評被害など存在しなくなるのだが。


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厚生労働省―緊急時における食品の放射能測定マニュアル(pdfドキュメントにリンク)

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(MIYUKI KOMATSU)


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