気まぐれな風向き、降雨、地形の影響を受け、原子力発電所から比較的遠いと思われてきた場所にも汚染が広がっていることが、全国でガイガーカウンターを所持する一般市民同士の情報交換によって明らかになってきた。それでも、実際に自分が毎日暮らしている場所はどうなのか、知りたい気持ちはつのるばかり。とはいえ、定価が約4万円のガイガーカウンターが約7万円で流通していたり、10万円以下の機器はオモチャだと発言する人を見かけたり。また、計測の仕方で結果が大きく違ってくることもあるという。数万円の授業料に投資する前に、正しい知識を身につけたい。■どんなに高くても消耗品
まず、ガイガーカウンターについて知っておくべきことは、輸送途中の衝撃で故障することもありうるほど繊細な精密機器であるということ。そして、ステンレスなどの金属もどんどん消耗させるような激しい電磁波を計測するため、パーツの寿命は1年程度と言われている。そのことを頭にいれた上で、いくらまで投資できるか考えよう。

次に、ガイガーカウンターには大きく分けて2種類ある。テレビのニュースで技術者が円筒形の金属をかざしているのはガイガーミュラー計数管方式(計数管は筐体に内蔵されているポータブルタイプもある)で、あまり微弱な放射線を計測する目的には向いていない。たとえばロシア・QUARTA社のRD1503 の測定範囲は0.05-9.99μSv、RD1706の測定範囲は0.05-999μSv。

原子力発電所から約200km離れた首都圏などでは0.03〜0.05μSv/h程度なので、低めの値を細かく計測できるシンチレーション方式の方が向いている。したがって、シンチレーション方式の上限は10μsv/h程度だ。原子力発電所の現場で機器が測定できる上限を超えてしまい、「そんなオモチャは捨ててしまえ」というやり取りがあったと伝えられているのは、機械の優劣だけではなく用途が違うものを持ち込んだケースもあったにちがいない。

そんな混沌としたガイガーカウンター市場だが、家電チャンネルでは今後、機器ごとの比較を特集していく予定だ。

■ガイガーカウンターを買う前に必読
放射能から身を守る!! ガイガーカウンターGuideBook [新書]  日本放射線監視隊 (著)


(MIYUKI KOMATSU)


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