『死にゆく妻との旅路』で夫婦役を演じた三浦友和と石田ゆり子

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壮絶な実話を映画化した『死にゆく妻との旅路』(2月26日公開)の舞台挨拶が、夫婦の日である2月2日に有楽町のよみうりホールで開催。主演の三浦友和と石田ゆり子、塙幸成監督が登壇し、“夫婦”の話題に花を咲かせた。

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1999年に実際に起こった保護責任者遺棄致死事件の当事者・清水久典氏の手記を基に映画化した『死にゆく妻との旅路』。三浦が演じるのは、事業に失敗して借金地獄に陥り、妻と共になけなしの50万円を持ち、ワゴン車で旅をする夫役。石田が扮するのは、病に侵されつつも、最後まで夫と旅を続けようとする妻ひとみ役だ。

撮影はかなり困難を極めたようで、三浦は感慨深い表情で「途中で撮影が終わるのではないかと思ったこともありました」と告白すると、石田も「本当に色々あって。やっと皆さんにお見せできると思うと、涙が出そうな気持ちです」と、あふれる思いを口にした。

初共演で息の合った演技を見せたふたり。塙監督も「おふたりの気持ちが通じ合う瞬間が多かった」と賞賛した。三浦は、役作りで体重を5kg近く減量したという石田について「美しい方って最後までやつれないんだなと。見てて腹立たしいくらいに綺麗でした」と笑顔で語った。また、石田は小学生の頃から三浦をテレビで見ていたそうで、「私にとっての三浦さんは、光輝く三浦友和さんなんです!」と言うと、会場からどっと笑いが起こる。役柄では11歳違いという設定だが、実際には18歳違いだという。石田は「素敵な三浦さんを“オッサン”と呼び続ける役だったので、最初はいたたまれない気持ちでした」と語った。

今日が夫婦の日ということで、2月2日に結婚記念日を迎える夫婦の観客が舞台に登壇したりと、夫婦の話で盛り上がった舞台挨拶。夫婦愛を体現した感想として三浦は「笠井(信輔)アナは、映画を見た日、家に帰ったら、奥さんから『何だかあなた、今日は優しいね』って言われたとか。自分も何らかの影響は受けているでしょうね。まあ、僕は普段からちゃんとしてますので」と百恵夫人との夫婦円満ぶりをアピールし、会場の笑いを誘った。石田は結婚について「自分が弱ってきた時、そばに誰かがいたら良いなと、現実的に考えたりしました」と激白すると、三浦は「早く良い人、見つけてください」と激励した。

最後に三浦は「前半は淡々と進みますが、見終わった後は重くて迫るものを抱えるはずです。なぜなら事実だから。それをどう受け止めていただけるか、ご意見をうかがいたい」と力強く語った。

静謐で深みのある演技を見せる三浦と、透明感のあるはかない表情を見せる石田。ふたりが紡ぎ出した哀しくも切ない夫婦愛は、真実の物語ゆえに心に重くのしかかってくる。それをしっかりと受け止めてほしい。【Movie Walker/山崎伸子】

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