/政治的な支援にも関わらず、邦画振興は結果が出ていない。その原因は、製作ノウハウが古い、コストをかけるところがまちがっている、リスクの大きな大作に偏っている、などが挙げられる。そして、アニメーターや映画監督より、ストーリーテラーを養成しなければ、話にならない。/

 政治的なコンテンツビジネス振興はけっこうなことだが、どうもうまく結果に反映されていない。つまり、これでは、ムダ使いの死に金だ。邦画業界の方も、やたら大金をかき集めて、大作を作りたがるが、作品のクォリティとして費用対効果が低すぎる。

 その原因の第一が、製作ノウハウが古いこと。現場での撮影時間をかけ過ぎ。これは、ダイレクトに人件費や機材費となって、ムダに予算を膨らませる。日本では、小津以来、リテイク数十回、などというのが、あたかも完璧主義のこだわりであるかのように賞賛されるが、ようするに、事前の打ち合わせが甘い、準備不足、というだけのこと。スタジオ入りする前に、監督自身がしっかりとイメージを固め、それを役者やスタッフに適格に指示しておけば、そんな事態にはならない。実際、スピルバーグの場合、一本60日で全カットを撮り上げ、あれだけの作品に仕上げている。それ以上の時間をかけ、それ以下のクォリティであるなら、監督や、撮影の段取りを決める第一助監督に才が無い。


続きはこちら