「価格」は買い手企業からみればコストである。価格は売り手と買い手を結びつけるフックのようなもの。今後、その価格の決まり方に影響を与えると思われる二つの動きがある。少し長くなるので、今回と次回の二回に分けてそれらについてご紹介する。最初はまずレベニューマネジメントから。

■ レベニュー/イールドマネジメント(Revenu/Yield Management)

レベニュー/イールドマネジメント(以下、レベニューマネジメント)は、顧客、商品、時期をよりきめ細かく分けて捉え、それらと価格の関係を理解し、価格をきめ細かく調整することで、収益を最大化するという考え方や手法。

こんな風に書くと難しく思われるかもしれないが、閉店間際のスーパーの生鮮品や惣菜売り場に行ってみよう。日持ちがしない商品を2割、3割、時には半額以下で売っているのを目にすることだろう。そうした売れ行きの悪い、もしくは売れ残った在庫を値下げして販売し、少しでもロスを少なくするというのもレベニューマネジメントの一つの手法。ただ、実際に販売してから考えるのでは、後手々に々回り、誤って値引きしすぎたりしてしまうかもしれないので、予め、価格と収益の関係を把握した上で、収益を最大化するような値付けや施策を打てるように準備しておきましょうというもの。

たとえば、航空券の価格がゴールデンウィークなどの繁忙期には高く売られる一方で、閑散期には早期予約に割引制度を設け需要を安定させる、ホテルが予約で埋まっていない部屋を直前になって、インターネットの予約サイトを通じて格安で販売する、長期滞在顧客には割安な宿泊レートで部屋を提供するといったものがレベニューマネジメントの手法として挙げられる。


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