以前、森林資源の保全を目的としたFSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)の森林認証制度をご紹介した。持続可能な資源利用が必要なのは森林だけではない。水産物もその一つ。水産物にも持続可能な漁業を推進する動きがある。今回は、漁業認証と水産物のエコラベル制度を通じて持続可能な漁業の普及を図っているMSC(Marine Stewardship Council、海洋管理協議会)の活動を紹介する。

FSCは地域社会、先住民の権利などを含む基準に沿って、森林が管理や伐採され、その森林から切り出された木材を使って生産・加工が行なわれたのを認証する国際機関。森林の適切な管理と、そこから切り出された木材に証明(認証)を発行し、ラベルをつけることで、消費者が環境負荷低減に配慮した木材を選ぶのを支援する制度で、日本でも普及しつつある。

持続可能な資源利用が必要なのは森林だけではない。水産物もその一つ。水産物にも持続可能な漁業を推進する動きがある。その一つがMSC(Marine Stewardship Council、海洋管理協議会)だ。MSCは責任ある漁業を推奨する目的で1997年に設立された独立した非営利団体。MSCの主要な活動は、海洋の自然環境や水産資源を守って獲られた水産物について識別しやすい青いマーク(認証エコラベル)を与え、消費者がそれらを選びやすくすることで、持続可能な漁業を普及させていこうという仕組み。MSCは、この仕組みを支えるべく、持続可能な漁業や水産物のトレーサビリティーの規格の制定、漁業従事者への持続可能な漁業の実践や小売企業、レストラン、水産物業界へのMSC認定水産物の取扱の働きかけ、消費者への教育や啓蒙活動を行っている。


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