生物多様性や生態系保全の経済価値は年400兆円 - TEEB最終報告書/中ノ森 清訓
生物多様性や生態系保全は大切だという事に反対する人は誰もいないだろう。しかし、実際にその取組はというと、まだまだ進んでいない。そんな現状に、「生物多様性や生態系保全の年400兆円の経済価値を生み出せる」と生態系保全の動きを異なる観点から後押しする調査報告書が国連環境会議から出された。今回はこのTEEB最終報告書を紹介する。
国連環境会議(UNEP)から「TEEB(2010)The Economics of Ecosystem and Biodiversity: Mainstreaming the Economics of Nature: A synthesis of the approach, conclusions and recommendatiosn of TEEB(生態系と生物多様性の経済学: 自然の経済学を社会の主流に: TEEBのアプローチ、結論と提言に関する最終報告書)」が公表された。TEEBは2年を掛けて様々な研究機関や大学から500人以上の専門家の協力を得てUNEPが行った調査である。
当報告書は、生態系や生物多様性の保全の経済価値を算出する試みで、幾つかの具体例を報告している。
- 現在の森林破壊を止めることにより、二酸化炭素排出量の増加を止めることでNPV(現在価値)換算で370兆円
- 乱獲により漁業では毎年4兆円が損失することに
- サンゴ礁の喪失で年間2兆4千億〜1兆4千億円の損失
- 市街地への40万本の植林による冷房利用の抑制で5,400億円〜1,600億円(4年間合計)
- 浄水プラントの建設を河川浄化サービスへの投資に切り替え、5,200億円の建設費用と年間320億円の操業費用を抑制
- 昆虫による農産物の受粉効果は17兆4千億、2005年の世界の農産物売上高の1割規模
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国連環境会議(UNEP)から「TEEB(2010)The Economics of Ecosystem and Biodiversity: Mainstreaming the Economics of Nature: A synthesis of the approach, conclusions and recommendatiosn of TEEB(生態系と生物多様性の経済学: 自然の経済学を社会の主流に: TEEBのアプローチ、結論と提言に関する最終報告書)」が公表された。TEEBは2年を掛けて様々な研究機関や大学から500人以上の専門家の協力を得てUNEPが行った調査である。
- 現在の森林破壊を止めることにより、二酸化炭素排出量の増加を止めることでNPV(現在価値)換算で370兆円
- 乱獲により漁業では毎年4兆円が損失することに
- サンゴ礁の喪失で年間2兆4千億〜1兆4千億円の損失
- 市街地への40万本の植林による冷房利用の抑制で5,400億円〜1,600億円(4年間合計)
- 浄水プラントの建設を河川浄化サービスへの投資に切り替え、5,200億円の建設費用と年間320億円の操業費用を抑制
- 昆虫による農産物の受粉効果は17兆4千億、2005年の世界の農産物売上高の1割規模
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