仕事は他者と知識や知恵を共有することで、新しいアイデアが生まれます。その相互作用によって仕事の質も成果も高まるのです。今回は、社内にある事例を学ぶこと、そのための仕組み、さらに、自らも積極的にナレッジを提供することについてお話します。

■□■ 事例に学ぶ ■□■

実務上の学びの材料は、社内にいくらでもころがっています。
営業であれば、提案資料をパターン別にファイルしたり、添付した参考資料をデータベースで管理したりしているかと思います。
自分ひとりでゼロから作り上げる必要はなく、それらのこれまでの先輩方が蓄積してきた財産を生かして、自分なりの加工に挑戦することもできます。
顧客センターなどでは、お客様からの問い合わせやクレームなどが、検索できるように保存されているはずです。

そうした問い合わせやクレームの集積は、宝の山です。
実はそうしたダイレクトな顧客の反応、声から学ぶことはとても多いのです。

顧客の声を集積する仕組みがない場合は、自分が提案してでも早急に作る必要があります。

プロジェクト型であれば、プロジェクトの振り返りレポート等が、どこかにファイルされていることと思います。
それらを読み込むことで、いながらにして成功事例、失敗事例を学ぶことが可能です。
成功事例、失敗事例が整理されていて、誰もがそこから学べる仕組みになっている組織は強いと思います。

大前研一氏が、駆け出しのコンサルタントだった頃、コンサルティングノウハウを短期に身につけるために最初に最も力を入れて取り組んだのが、先輩コンサルタント達の作品(提案書のファイル)のすべてを片っ端から熟読することだったというのは有名な話です。
世界のトップレベルの経営コンサルタントになる人でも、最初は事例から学んでいます。

■□■ 仕組みを活用する ■□■


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