【ソーシャル・ネットワーク】手を振るアーロン・ソーキンとジェシー・アイゼンバーグ
 10月25日(月)、東京・日比谷のザ・ペニンシュラ東京で映画『ソーシャル・ネットワーク』来日記者会見が行われた。主演のジェシー・アイゼンバーグ(27)と、脚本を手掛けたアーロン・ソーキン(49)が、登壇。共に初来日の二人は、日本の感想、全米大ヒット中である本作について、熱く語ってくれた。

―――まず、日本の皆さんにご挨拶をお願いします。


アーロン・ソーキン(以下、アーロン):日本語のボキャブラリーがなく、話せなくてすみません。今回、日本に来れて光栄です。東京国際映画祭のオープニングでグリーンカーペット歩き、とても感激しました。ジェシーと二人で世界中を(プロモーションのため)回ってますが、日本でもいろんな質問に答えていきたいと思います。
ジェシー・アイゼンバーグ(以下、ジェシー):日本に来れて光栄です。日本でこの映画を観てもらうのは大切だと思ってますし、また、日本ですでに試写などでご覧になられている方の、反応がいいと聞いているので感激しています。

―――日本に来て、気に入った場所、食べ物はありますか?


アーロン:ホテルの窓越しだけでしか風景は見られないのですが、それでも、素晴らしいと思います。また、お会いした人もすばらしいです。
ジェシー:僕はNYにすんでおり、マンハッタンの日本人がいっぱい住んでいる地区の隣の街に住んでいるので、日本のものに馴染みがあったつもりでしたが。(来日して)本場の日本の食事をし、舌が超えてしまいました。

―――アーロンさんに質問です。この映画をつくるのにあたり、どういうところに惹かれて、脚本化したのでしょうか?


アーロン:まず、私はファイスブックに惹かれて、脚本化したのではありません。この映画に一番責任があるデヴィッド・フィンチャー監督は「ドランゴン・タトゥーの女」をスウェーデンで現在、撮影中です。彼も日本に来たかったのだけど、来日できなくて残念がってました。そういうことなので、彼のかわりに、僕がお答えします。まず、この映画はフェイスブックに入っていようがいまいが、楽しめる映画です。友情、権力、階級、裏切りという古典的なテーマが、フェイスブックという非常に現代的な舞台で繰り広げられているからです。

―――実在の人物、事柄を書くことについて


アーロン:ノンフィクションを書くとき、僕が気をつけていることがあります。この映画の登場人物は主役のマーク(※マーク・ザッカーバーグ フェイスブック創設者 本作の主人公)以下みんな若い。そんな若い人たちや、大きな反響をもたらすハリウッド映画を書く時は、特に責任があると思っています。事柄、歴史、それに関わる人に対する責任が。医者は害を与えないと言います。私もそれを基準に「物事を作りあげない」、「(実在の人物に)害を与えない」ということを念頭において、脚本を書きます。そして、アメリカにはそういう法律があります。その法律がなくても、私は(実在の人物、事柄を)傷つけるつもりはありません。
ジェシー:マークは既にメディアの注目を集めている存在だったから、僕がこの役をやると決まった時、彼の名前だけは知っていた。しかし、彼自身がどういう人だとか、どういう顔なのかは知りませんでした。現場では「本人の真似をするな、これはフェイスブック自身がテーマでもなく、ましてやマークの映画でない。これは、今、生きている同時代の人々の物語だから」と言われました。僕は実在の彼らのことは意識しないで、この映画にのぞみました。