日経MJ10月18日号2面「伸びる市場・ヒット商品分析」の欄に「食べるラー油」の記事が掲載されている。<「食べるタイプ、ブーム続く」><前年同月比10倍の伸び>とある。「食べるラー油市場」の動きと、これからはどうなるのだろうか?


 記事によれば、桃屋の通称「桃ラー」は<認知度高くい首位維持>とあり、それを追撃すべく発売されたヱスビー食品の「エスラー」は<風味引き立つ工夫>で2位。各々の販売シェアは22.7%・24.3%と僅差で常に入れ替わりがあり得る状況だ。その他のブランドは3位にフードレーベル「やみつきラー油」7.2%、桃宝食品「味わい具だくさんラー油」3.2%と2桁シェアを獲得しているブランドはない。

 「クープマンの目標値」で考えれば、激戦の競争状況から一歩抜け出した状態である「市場場影響シェア」は26.1%とされている。桃屋、ヱスビー共にこのシェアに近く、3位以下から確実に飛び出していることを裏付けている。さらに、両社のシェアを合計すれば47%となり、「安定的トップシェア」の41.7%を超えており、断然の二強体制であることもわかる。

 桃屋によって静かに発売された商品が09年10月のCM投入で一気に火が付き、生産が追いつかず店頭欠品が相次ぐ状態となった。欠乏感が煽られ、当時普及期にあったTwitterでも情報が飛び交って口コミが拡大してさらなる人気が加速した。そのブームを追って製品を投入したヱスビーの商品も市場の需要に飲み込まれて、供給不足が続くとなったのである。つまり、実際には市場に商品を大量に投入すべく生産量を増やせば、さらなるシェアアップは可能でいずれかのブランドが市場を席巻することも可能であったわけだ。しかし、記事では<スーパーでの9月の売上げデータでは前月比で若干落ち込む動きも出ている>とあり、<生産設備の増強に向けては難しい舵取りを迫られそうだ>とまとめている。


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