フランス代表MFフランク・リベリのマルセイユからバイエルン・ミュンヘンへの移籍が正式に決まり、7日に入団発表が行なわれた。ミュンヘンでの入団発表は、先にフィオレンティーナから獲得したイタリア代表FWルカ・トニと合わせて行なわれた。背番号はリベリが7、トニが9に決まった。

 レアル・マドリーをはじめとする複数のビッグクラブから誘いを受けていたリベリだが、フランス通信(AFP)が伝えた記者会見によると、バイエルンを選んだ決め手は「野心的で真面目、チームの雰囲気がよく、非常にしっかりした構造をもっている」点。また首脳陣の熱心なアプローチに心を動かされたという。

 リーグ2位のマルセイユと異なり、バイエルン(CL)では来季のチャンピオンズリーグに出場できないが、「今シーズンは、W杯とフランス杯の2つの決勝で敗れた。バイエルンに来た目標は、優勝を味わうこと。それが一選手として最大の関心だ」と語るリベリ。「来季のCLに出場できないことについてはよく考慮した。しかしバイエルンほどのビッグクラブが会いに来たら、これは相当なこと。チームは今季こそ困難なシーズンを送ったが、何度もタイトルをとっている。これからの盛り返しにすべてがかかっているということだ」と目先にとらわれない決断を下した。ちなみにリベリの契約は4年間。

 W杯ドイツ大会で事実上の“世界デビュー”を果たしたリベリにとって、ドイツという場所には特別な感慨がある。フランス代表のチームメイト、ウィリー・サニョルからも「バイエルンのよいところばかり聞かされた」。ドメネク監督からも「迷わず決めろ。バイエルンはビッグクラブだ。あそこならうまく行く」とアドバイスを受けた。リベリから決断を報告されたサニョルは、「いい選択をした」と喜んだという。

 ブンデスリーガ史上最高の2500万ユーロ(約40億9000万円)という移籍金については、「重要なのは、マルセイユがこの巨額を受けとるということ。自分としては、この数字にとらわれないようにしたい」と答えた。「マルセイユでしたように、自分のすべてをバイエルンに捧げる」決意とともに、「自分はシンプルな人間。この3年間、多くのことが起こった。このままの真剣さで続けることが必要。このチームで喜びを味わいたい。チームにタイトルをもたらし、サポーターを喜ばせ、首脳陣が自分に抱いてくれた信頼に応えたい」と抱負を語った。