「こんなのってマジかよ?!」

 6日、欧州各地で行われたユーロ2008予選。リトアニアとの試合で2ゴールを決めたイタリア代表FWクアリアレッラは、自身の活躍を信じられず、興奮した口調でDFカンナバーロに思わずこう問いかけたという。快勝したイタリアは予選中盤戦のアウェイ2連戦を連勝し、グループBの2位を確保した。

 スタメンに抜擢されたクアリアレッラは、前半31分にピッチ中央右でボールを持つとドリブルを開始、単独でエリア前中央へ持ち込んだ末、豪快に20m先制弾を左脚で叩き込んだ。45分には、ペナルティエリア前にいたピルロから受け取ったパスを速い展開の中、右脚でゴール対角に決めた。パワーとコントロールが融合した、素晴らしい2発だった。

 今季サンプドリアで13ゴール。そのいずれもが高難度の目の覚めるような一撃ばかり。大きくブレイクしたこの若きタレント獲得に現在興味を示しているクラブは、ユベントス、ミラン、マンチェスターUなど7チームもある。

 イタリアのいるグループBはフランス、ウクライナと同居する最激戦区。伏兵としてスコットランドがいる。9月に控えている予選再開緒戦は、ホームでフランスとの因縁の一戦。激戦必至をにらんで、来季セリエAの開幕日程調整で協会、リーグなど関係機関の綱引きが続いている。困難な世代交代を進めている伊代表監督ドナドニも、今回の新戦力台頭で一安心というところだろう。夏の移籍市場ではクアリアレッラの周辺も騒がしくなりそうだ。

弓削高志