2部から1部への昇格を決めながら辞任する監督はユベントスのデシャンだけではないかも知れない。1988年から1992年にかけて5シーズン連続でリーグ・アンの得点王に輝き、1991年にはバロン・ドール(欧州年間最優秀選手)を獲得したジャン=ピエール・パパンがその“候補”だ。

 パパンはアマチュアチームを2年間率いたあと、昨シーズンからストラスブールの監督に就任。チームはリーグ・ドゥ(2部)の3位に食い込み、来シーズンの昇格を果たした。選手としての輝かしい経歴も、1シーズンでチームを1部に戻した功績も、デシャンの例と似ている。

 パパンの場合は、ジネステ会長との関係がもはや修復不可能なほど悪化していると伝えられる。レキップ紙は、ストラスブールの次期監督にトロワのフュルラン監督が有力、と報じている。
 
 念願の昇格を決めた後での解任となれば、パパンにとってやり切れない出来事となるが、リーグ・アンのクラブを率いるという夢が潰えたわけではない。ボルドーからリカルド監督が出るという噂は根強く、パパンが古巣に監督として復帰、という可能性が浮上している。ジロ監督が辞任したランスもパパンを監督候補に挙げていたが、ルー監督に決定した現在、ボルドー入りがいっそう現実味を増すことになった。