2日のユーロ2008予選B組で、ウクライナを迎えたフランスが2―0で快勝してグループの単独首位に立ち、主力組の相次ぐ故障という不安を払拭した。

 この試合は、シェフチェンコを欠いて守りを固めてくるウクライナに対し、フランスの新しい攻撃陣がいかに突破口を開けるかがカギといわれていた。ドメネク監督が選んだ布陣は、ナスリを軸に、両翼にリベリ、マルダ、トップにアネルカという初めての組み合わせ。しかしシステムとしては、ジダンがナスリに、アンリがアネルカに代わっただけで、W杯で採用したものと同じだった。

 前半は攻めあぐんだフランスだが、後半は新司令塔ナスリを中心に決定的なチャンスをつくり出すことに成功。2つの得点はいずれも、中央の縦パスから個人技で生まれたゴールだった。両翼が開いて相手を誘い込み、スペースのできた中央にパスを送り込むパターン。1点目はマケレレのパスを受けたリベリが、2点目はナスリのパスを受けたアネルカが、それぞれ絶妙のボールコントロールで相手を一気に抜き去り、ゴールをあげた。

 ドメネク監督は試合後の記者会見で、「個人技による得点も、集団のプレーなくしては生まれない。チームが結束していれば、攻撃陣にはそれぞれの技を発揮する機会が生まれ、それが得点につながる」と集団と個人の相乗効果を生むことに成功した戦術を自賛した。

 4日後に対戦するグルジアはウクライナほどの難敵ではないが、それだけに「いい形で勝たなければならない」というプレッシャーはつねに存在する。ウクライナ戦で攻撃のパターンが広がったのを確認したことは、ナスリやアネルカをはじめとする選手たちに自信をもたらした点で大きな収穫と言える。