中国の李強首相(後ろ姿)と金正恩氏(SNSから)

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北朝鮮当局が中国との貿易統制を一段と強化し、中国側取引先の氏名や連絡先、事業内容などの詳細な情報を当局へ報告するよう義務付けた結果、中国企業が取引そのものを敬遠するケースが相次いでいると、デイリーNKの北朝鮮内部情報筋が伝えている。

情報筋によると、北朝鮮では公式貿易を行うために国家が発行する貿易許可証を取得する必要があり、従来から取引品目や数量などについては当局への報告義務があった。

しかし最近では管理対象が拡大され、中国側取引先の氏名や連絡先、事業内容といった個人・企業情報まで詳細に報告するよう求められているという。さらに、中国滞在中の北朝鮮貿易関係者には、誰と会い、どこを訪れたかまで細かく報告することが義務付けられ、監視体制が大幅に強化された。

こうした措置は現場に大きな影響を及ぼしている。

長年取引のある中国業者は従来通り商談を続ける例が多いものの、新規取引先の開拓では事情が異なる。当局への個人情報提供を嫌う中国側業者が少なくなく、「名前や連絡先を北朝鮮当局に提出するくらいなら取引を見送る」として商談を断念するケースが相次いでいるという。

(参考記事:「中国人よ、早く来い」金正恩“作りすぎ観光ホテル”が待っている

情報筋は「昔から付き合いのある中国業者はあまり気にしないが、新しい取引先ほど身元情報の提出を拒み、取引そのものを諦める例が目立つ」と説明する。

このため北朝鮮の貿易関係者の間では、華僑を仲介役として利用する動きも広がっている。華僑が複数の業者と価格交渉や商品調達を代行することで、中国側の個人情報を直接報告する必要が少なくなるためだ。ただ、その分だけ取引は複雑化し、時間もかかるようになったという。