アーセナルのアーセン・ベンゲルが批判に晒されている。事の発端は、2月25日に行なわれたリーグカップ決勝のチェルシー戦で、FWエマヌエル・アデバヨールがレッドカードを受けたシーン。チェルシーのMFフランク・ランパードを殴ったためとされる退場処分について、納得のいかないベンゲルは、「ラインズマンが嘘を言っている」とコメント。この発言が波紋を呼んでいるのだ。

 物議を醸すベンゲルの「嘘つき」発言について、プレミアリーグの元審判員であるグラハム・バーバー氏がコメント。監督の立場に一定の理解を示しながらも、ベンゲルのコメントは「度が過ぎる」と批判している。

「嘘をついたなどと言って、ラインズマンを咎めるのは間違いだ。行き過ぎた行為だと言っていい。アーセン・ベンゲルは、自らの言動を反省すべきだろう。どうしても感情的になってしまうのがサッカーというスポーツだ。それでも、こういった類の発言には、適切な時間と場所というものがある。監督が意見を言うのは悪いことではない。しかし、今回のケースはタイミングが最悪だった」

 一方、ベンゲルの不満はいまだに収まる気配をみせない。今度は、アーセナルが審判団の標的になっているとコメントし、自らの正当性を訴えている。

「アーセナルはプレミアリーグで最もファールの少ないチームだ。それなのに、処分を受ける回数はリーグでも一番多い。他のチームと同等に扱って欲しいものだ。我々は勝利を目ざして戦っているし、フェアプレー精神を愛している。しかし、我々だけ厳しい処分を課されるのは受け入れられない」

 久々のタイトル獲得を目前に、不本意な形で敗退したアーセナル。リーグ戦のタイトル争いからも事実上脱落しており、ベンゲルのイライラは募るばかり。知将が繰り返す過激なコメントの数々が、その苦悩を象徴していると言えそうだ。