欧州チャンピオンズ・リーグ(CL)決勝トーナメント1回戦のポルト戦を翌日に控え、記者会見に臨んだチェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督が。その席上で、今シーズン終了後の解任が噂される去就問題について、質問が集中。これに対し、モウリーニョは「プレッシャーなどない」と自信を込めて語った。

 戦力補強などを巡り、チェルシーのオーナー、ロマン・アブラモビッチとの確執が噂されるモウリーニョ。英国メディアは、このロシア人オーナーが、モウリーニョ続投の最低条件にCL優勝を設定していると伝えており、後任候補にはインテルのロベルト・マンチーニ監督の名前も挙がっている。

 しかし、去就にまつわる報道陣の質問にも、当のモウリーニョはマイペースそのもの。ポルト監督時代の2003-04シーズンにCL優勝を成し遂げた実績を根拠に、ライバル監督を茶化す余裕すら見せた。

「CLの結果で私をクビにするなら、CLで優勝経験のない監督もクビにして欲しいもんだ。なぜなら、私は1度優勝を経験しているのだからね。私がプレッシャーを感じているのなら、優勝経験のない監督はさぞ不安だろう。そもそも、CLは簡単に優勝できる大会ではない。どんなにビッグな監督でも、優勝経験がない者がほとんどだ。そんな監督がロンドンにも1人いるだろう? (アーセナルの)アーセン・ベンゲルはトップクラスの監督だ。皆さんは笑っているが、私は本気だよ。そんな彼でも優勝を経験していないんだ。だから、1度経験している私は神に感謝しなければならない。チェルシーの監督としてプレッシャーは感じていないよ。ポルト時代の方がキツかったくらいさ」

 ベスト8進出を賭けて、難敵の古巣ポルトに加え、“内なる敵”とも戦うモウリーニョ。笑顔を交えながら、「プレッシャーはない」と繰り返し語る闘将の姿こそが、並々ならぬ闘志を物語っていた。