生稲晃子氏

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 TBS「サンデー・ジャポン」が17日、放送され、元おニャン子クラブの女優、生稲晃子参院議員が、第2次石破茂内閣で外務政務官に抜てきされたことについて、元内閣官房参与の岸博幸慶大大学院教授は「ムチャクチャ怒っている」と話した。

 生稲氏の起用は、元SPEEDの今井絵理子参院議員が内閣府政務官に起用されたこととともに、一部から批判が挙がった。

 岸氏の怒りは2つのことに向いていることを前置き。「ネット世論が元タレントということで、仕事やれんのかよと、こういうバカな言い方は絶対ダメ。芸能人だったけど国会議員に道を変えて、他の方も含めて、むちゃくちゃ政策を勉強しているんですよ。今を否定しちゃダメ」と話した。

 もう一つの怒りは、「今回の人事でムカつくのは、戦略性が全然ないということ」と明らかにした。トランプ氏が大統領に返り咲くことが決まった米国と比較。「トランプさんが実現したい方向のために人を選んでいる。対して日本は、大臣でも官邸に呼ばれるまで自分が何の担当なのか分からない。副大臣、政務官はより一層、適材適所より人をはめるということになる」と政府の人事に疑問を呈した。

 具体的には「外務政務官に生稲さんというのは、生稲さんが可哀想」と同情をまじえて、怒り。生稲氏は、アジア大洋州局の担当に決定。中国、韓国、北朝鮮など、関係性がデリケートな近隣国を含んでいる。

 岸氏は「大臣が一人、副大臣が2人。政務官が3人で合計6人。これで外交を全部やるんです。国の数が200あって、(生稲氏が担当する)アジア大洋州には大事な国がいっぱいある。国際会議もある」と仕事の難易度の高さを解説した。

 続けて「外務省の政治家は日本の代表で外交をやる。国内の政治なら事務方がいくらでもサポートできるけど、外交はトップの責任がすごく重い。そこでまだ国会議員になって2年目、政策交渉の経験がない方をあてるというのは、ちょっと生稲さん可哀想」と憤慨した。

 生稲氏には「芸能界で揉まれた根性がある方だと思うので、根性出して頑張ってほしい」とエールを送った。