午前の日経平均は反発、円安が支え 自律反発狙いの買いも

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Hiroko Hamada

[東京 15日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比306円43銭高の3万8842円13銭と、反発した。為替の円安が支えとなったほか、前日まで3日続落した反動で自律反発狙いの買いが入った。日経平均は一時500円超上昇したが、次第に利益確定売りも出て上げ幅を縮小し、前引けにかけては一進一退となった。

日経平均は前営業日比213円高としっかりでスタート。その後も上げ幅を拡大させ565円高の3万9101円64銭で高値を付けた。外為市場でドルが156円台半ばまで上昇し、業績改善期待から自動車株が買われた。決算発表を受けて金融株もしっかりだった。買いが一巡した後は上げ幅を縮小し3万8800円を中心にもみ合った。「週末を控えてポジション調整が出やすい」(国内証券・ストラテジスト)との指摘があった。

内閣府が朝方に発表した7─9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比0.2%増で、2四半期連続のプラスとなった。個人消費がしっかりしていたことが株価を支えたとの見方も聞かれた。

フィリップ証券のアナリスト・笹木和弘氏は日経平均について「3万8500円を割れずに戻してきたことが短期的に安心感につながったようだ」と指摘する。もっとも、日米の決算発表がピークを迎え目先は市場のテーマとなる材料が乏しく、「3万9000円を軸に横ばい圏となりやすいのではないか」(笹木氏)とみている。

TOPIXは0.86%高の2724.35ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆4071億2000万円だった。東証33業種では、海運、電気・ガス、輸送用機器など29業種が値上がり。サービス、その他金融、証券、商品先物取引は値下がりし、非鉄金属は変わらずだった。

個別では、みずほフィナンシャルグループが6%超高で堅調。日産自動車は4%超高。香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが同社株を保有していることが分かったとダイヤモンド・オンラインが15日付で報じ、手掛かりとなった。

電通グループはストップ安。業績予想の引き下げなどが嫌気された。

主力のトヨタ自動車は2%高、指数寄与度の大きいファーストリテイリング、東京エレクトロンはそれぞれ1%超高だった。

プライム市場の騰落数は、値上がり1040銘柄(63%)に対し、値下がりが531銘柄(32%)、変わらずが70銘柄(4%)だった。