高校に続き大学でも神宮大会制覇を目指す札幌大・佐野(カメラ・島山 知房)

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 明治神宮野球大会(11月20〜25日、神宮)に38年ぶりに出場する札幌大は、21日の初戦で関西5連盟第1代表の天理大と対戦する。札幌大谷時代に高校の部で初出場初優勝を果たした主将の佐野翔騎郎外野手(4年)は、大学でも全国制覇を目指すと誓った。

 札幌大・佐野が“無敗の神宮球場”で躍動する。高校の部に出場した18年大会は、1年生ながら右翼手のレギュラーとして全試合にフル出場。4試合で4安打を放ち、優勝に貢献した。エース・奥川恭伸(現ヤクルト)を擁する星稜を破った決勝以来となる神宮でのプレーに「いいイメージを持ったまま学生野球最後の大会に臨める。リーグ戦から状態も上がっているので楽しみ」と、胸を躍らせた。

 大学では1年春にレギュラーをつかんだ。実績を積み上げてきたが、最後の秋を前に試練が訪れた。リーグ戦開幕1週間前の練習試合で左太もも裏を肉離れ。「その場で泣いてしまって痛すぎて耐えられなかった。もう大学野球は終わったと思いました」と、振り返る。

 前半の第1節は松葉杖をつきながらベンチ入りし、主将として声で仲間を鼓舞し続けた。「練習にも参加できなかったので、キャプテンとしても焦る気持ちしかなかった」。懸命なリハビリを経て、第2節開幕直前から全体練習に合流。9月19日の北大戦からスタメン復帰し、4試合に出場した。

 リーグ戦では攻撃の要が万全な状態ではない中、エース左腕・長谷隼兵(4年ー旭川龍谷)を中心に耐え抜き35季ぶりの優勝。函館大との代表決定戦も制し、大学4年間で初の全国大会出場が決まった。「チームに助けてもらったので、最後は自分が助けられたら」。選手宣誓の大役も担う主将が、過去最高の4強を上回る決勝、そして頂点まで導く。(島山 知房)

 〇…元プロ野球選手の佐藤真一総合コーチ(59)が、慣れ親しんだ球場に凱旋(がいせん)する。現役時代はダイエー、ヤクルトの外野手として活躍。今年3月から地元札幌で指導を始めた。就任1年目での全国舞台に「うれしいですよ。春の戦いを見てたら勝てるとは思ってなかったですから。(神宮球場は)お世話になった場所。いい思い出が多いですね」。東海大時代に届かなかった秋の大舞台“初出場”の喜びをかみしめ、ベンチから指示を送る。