オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相が、16歳未満の児童がSNSを利用することを禁止する新法の可決に向けて動き出すと発表し、若いユーザーを保護しないテクノロジー企業を厳しく取り締まると明言しました。アルバニージー首相は以前から若者のSNS利用を取り締まることについて議論していましたが、年齢について明言したのは今回が初めてです。

Social media ban for children under 16

https://www.smh.com.au/politics/federal/children-under-16-to-be-banned-from-using-social-media-20241107-p5kon4.html

Labor backs 16 as the minimum age to use social media ahead of national cabinet meeting - ABC News

https://www.abc.net.au/news/2024-11-07/labor-backs-social-media-age-minimum-16-years/104571186

Is Australia setting itself up to fail with teen social media ban? | SBS News

https://www.sbs.com.au/news/article/is-australia-setting-itself-up-to-fail-with-teen-social-media-ban/88sy53iv0

アルバニージー首相が進める新法は、16歳未満の子どもがSNSを利用することを完全に禁止するもので、すでに利用している人も、たとえ親の同意があったとしても関係なく、すべての人が規制の対象となります。

記者会見でアルバニージー首相は「SNSを運営する企業に責任を負わせる予定であり、子どもたちや、子どもの親が法律に違反しても罰せられることはありません」と述べました。ただし、具体的にどうやって子どものアクセスを遮断するのか、違反した企業をどう罰するのかなど、詳細については明かされていません。アルバニージー首相は後日開催する閣僚会議で16歳という年齢について合意を求める予定で、2025年にも法制化するとしています。



16歳未満のSNS利用を禁止するという計画は2024年9月に発表されたもので、与野党問わず多数の関係者から支持を集めていたとのこと。最大野党・自由党党首のピーター・ダットン氏でさえ、「次の連邦選挙で勝利した場合は100日以内に禁止令を導入する」と約束していたほどです。自由党の広報を担当するデービッド・コールマン下院議員はこの動きを歓迎し、「この法律が強力で、抜け穴がないことをチェックする予定です。法律により、オーストラリアの子どもたちを保護し、かねてから私たちが懸念しているプラ​​ットフォームをなんとかしたいと考えています」と述べました。



一方で、「子どもの声を聞いていない」「子どもが必要な情報にアクセスできなくなる」といった懸念も寄せられています。

クイーンズランド工科大学デジタルメディア研究センター所長のダニエル・アンガス氏は、「オンラインの活動を取り締まるのは信じられないほど困難です。禁止という政府のアプローチは、メディアリテラシー教育やデジタル技術の適切な利用に向けた個別のアプローチが必要であるという事実を無視しています」と述べ、アルバニージー首相の政策は間違っているとの考えを示しています。

タミー・ティレル上院議員は、「禁止は解決策ではありません。子どもたちがSNSにアクセスするのを止めることはできませんし、子どもたちがオンラインで直面している問題を実際に解決することもできません。実際に影響を受けている子どもたちの声を聞かない、上の世代の気分が良くなるだけの政策です」と述べました。