欧州は「防衛費の負担増加か」緊張…ロシアは「ウクライナ戦争終わるか」表情管理
トランプ前米大統領のホワイトハウス帰還が確定し、国際社会で悲喜が分かれている。
尻に火がついたのは欧州だ。トランプ氏が欧州の「安保ただ乗り論」、ウクライナ支援懐疑論を主張してきただけに、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)国家は防衛費の負担増加と「安保の傘」弱化を懸念している。
フランスとドイツは対策の議論に着手した。フランスのマクロン大統領は6日、ドイツのショルツ首相と電話をした後、「我々はさらなる自主的な欧州のために努力する」とし「米国と協力して我々の利益と価値を守る」と明らかにした。マクロン大統領はこの日、トランプ氏と25分間の電話会談をし、ウクライナ問題についても議論した。これに先立ちトランプ氏は「当選すれば24時間以内にロシアと妥協し、ウクライナ戦争を終わらせる」と公言してきた。
米国がウクライナ支援を減らせば、すぐにも欧州の負担が増える。フィナンシャルタイムズ(FT)は「ウクライナは米国の軍事的支援に大きく依存していて、欧州はこれをEUが代替できないことを知っている」と伝えた。ウクライナのゼレンスキー大統領がこの日、トランプ氏に向けて「ウクライナに対する超党派的な支持が持続することを望む」と訴えたのもこのためだ。
欧州の首脳らは7、8日にハンガリーのブダペストで開催される欧州政治共同体(EPC)首脳会議で会い、トランプ2期目への対応について議論する予定だ。
従来の国際秩序の変更を追求する、いわゆる「修正主義国家」(中国・ロシア・イラン・北朝鮮など)は慎重な立場を見せた。中国はトランプ氏の「中国産製品60%関税賦課」など超強硬通商公約に笑えない立場だ。トランプ氏は先月、「中国が台湾を侵攻すれば150−200%の関税を賦課する」と警告した。CNNは習主席がこの日、トランプ氏に祝福の電話をしたと報じた。中国は7日に祝電も公開したが、習主席は「中米が正しい共存の道を歩み、両国と世界に利益になることを希望する」と伝えた。
ロシアのプーチン大統領はすぐには祝福のメッセージを出さなかった。ロシア大統領府のペスコフ報道官は「プーチン大統領は相互尊重に基づき建設的な対話に開かれているという立場」とし「(就任式が開かれる)1月にどのようなことが起きるかを見守る」と述べた。ペスコフ報道官は7日にはプーチン大統領が知人を通してトランプ氏に「非公式的」に当選を祝う言葉を伝えたという報道も一蹴した。
イラン政府はこの日、「米大統領選挙は我々と特に関係ない」と強調した。しかし2018年にイラン核合意(JCPOA、包括的共同行動計画)を破棄した張本人のトランプ氏が再執権したことを受け、米国の対イラン経済制裁を減らそうとしていたイランの構想の実現が難しくなった。ロイター通信は「トランプ氏がイラン石油に対する制裁を強化し、イスラエルがイランの核施設を攻撃して暗殺を遂行するよう権限を付与する可能性がある」と伝えた。この日、イラン通貨リアルは過去最安値となった。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相は喜びを隠さなかった。ネタニヤフ首相はXに「歴史上最も偉大な復帰」として祝福し、トランプ氏との約20分間の電話でイランの報復の動きについて議論した。トランプ2期目はネタニヤフ首相の終戦構想を後押しするという観測だ。ワシントンポストは「ネタニヤフ首相はいま自身がすべての面で偉大な勝者と考えている」と伝えた。