36歳・渡部暁斗「競技人生の集大成」6度目五輪へ「世界選手権は個人戦で金メダル」…五輪プレシーズンへ出発
スキー・ノルディック複合で五輪3大会連続メダルの渡部暁斗(北野建設)が7日、2024〜25年新シーズン事前合宿地のノルウェーに向け、羽田空港から出国した。6度目の五輪を目指す26年ミラノ・コルティナダンペッツォ大会を「集大成」と位置づけ、五輪プレシーズンに挑む決意を明かした。
出発前の羽田空港で取材に応じた暁斗は「次の五輪は自分の競技人生の中で1つ集大成にしようという気持ちがあるので、そこに向けて悔いの残らないように。五輪に向かうにあたって(25年の)世界選手権でメダルを獲得したり、ワールドカップで表彰台に上るという成績を残すことによって、他の国の選手にプレッシャーを与えることができると思います。パフォーマンスも大事だし、しっかりと結果というものにつなげていけたらいい」と闘志を燃やした。
22年北京五輪では個人ラージヒルと団体で2つの銅メダルを獲得した。だが、五輪後の2シーズンはW杯で表彰台から遠ざかり、個人総合では30位、22位と苦しい時期を過ごした。今春、ジャンプの改善に着手。「フィジカルの部分では衰えを感じていないけど、思うような結果が出ていないのはジャンプが大きくて。古い技術というか、体に染みついた癖みたいなものを根本から変えた」。陸上のトレーニングから助走の滑る感覚を見直し、若い選手からも助言をもらうなど貪欲(どんよく)に取り組み、手応えを得た様子で「ポジティブな気持ちでシーズンに迎える」と明るい表情を見せた。
出れば自身6度目となるミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を前に、今季は25年2〜3月に世界選手権(ノルウェー・トロンハイム)が控える。09年に団体金、個人では4度表彰台に立ってきたが、最後の舞台になるかもしれない。36歳は「まだ個人戦で金メダルを取っていない。最後のチャレンジで個人戦でも金メダルを取りたい。やったことがないことができるというのはまだまだ自分の限界を突破できているし、五輪で金メダルを目指すという意味では、今年の世界選手権で金メダルを取れたら、自分にとってはいい材料になる」と腕をまくった。