50代ひとり暮らし。ボロボロだった築50年の団地に引っ越して「まず最初にしたこと」:11月に読みたい記事
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50代、これから先の暮らしについて考え始める人も多いのではないでしょうか。築50年越えの団地で日々節約や時短、インテリアの工夫を楽しみながら自分らしくひとり暮らしをするブロガーのきんのさんも、50歳を前にして団地に引っ越すという大きな選択をしました。
ここでは、きんのさんの著書『54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし』(扶桑社)より、きんのさんの団地暮らしの工夫などを抜粋・再編集してご紹介します。
今回は、古い団地へ引っ越して「まず最初にしたこと」について教えてもらいました。
記事の初出は2023年11月。内容は取材時の状況です。
“ここに来てよかった”そう思うため、築50年の団地をフルリノベーション
49歳のとき、母の介護がきっかけで新築で購入した都内のマンションから、築50年超えの団地へ引っ越したきんのさん。最初に団地の部屋を見たときは、思わず驚いてしまったそう。
「築50年の団地に『あとどれだけ住めると思っているの?』という意見もありましたが、それも考慮の上。ですが、実際の部屋を見たときは衝撃でした。壁紙は剥がれ、床も天井もボロボロでカビだらけ。不便な間取りで脱衣場もなく、入浴時の着替えは玄関から丸見え。狭いトイレ、古びたキッチン、もちろんエレベーターや最新セキュリティもナシ。都内のマンションとの落差に涙が出そうでした」
しかし、マンションを手放しあとは前を向くしかない状況だったきんのさんは、「ここに来てよかった」と思えるような家をつくろうと切り替えることに。そんなきんのさんが最初に取り組んだのは、リノベーションノートづくりでした。
「マンションのチラシやインテリア雑誌から、いいなと思った写真を切り抜いてはノートに貼り付け、イメージ固め。このノートを持ってリノベーション会社に相談に行きました」
費用を抑えるため、できることは自分で
そうして、まずは間取りなどを自分が使いやすいように大きく変えたそう。
「3LDKの間取りはおひとりさまには必要ないと1LDKに大幅変更。寝室以外は不要な壁を取り払って、広々したリビングキッチンを実現しました。大きな荷物も受け取れるよう、狭い玄関を2倍に広げ、季節を楽しむためのギャラリースペースも設けました。トイレとお風呂をひと続きにすることで広くし、脱衣所も確保。そして、窓は全て二重サッシに。費用はかかりましたが、防音とカビ対策、電気代の節約効果もあるので、やっておいてよかったです」
かかったお金は通常のフルリノベーションの3分の2ぐらい。費用を抑えられたのには、理由がありました。
「費用を抑えられたのは、地元の業者さんと資材や設備を比較検討し、よく話し合うことができたから。口ぐせは『予算がないんです(笑)』『なくても困らないなら省きます』『これはDIYでもできますか』。業者さんが見かねて『オマケするからこれ使ってよ』と言ってくれる場面もありました」
自分で選んだもので築き上げた私らしい家
「本当に予算がなかった」と言うきんのさん。自分で工夫をこらすことで、なんとか家をつくり上げていきました。
「寝室の床はネット通販で購入したシートを自分で貼りました。洗面台も木枠だけつくってもらい、あとは手づくり。100円ショップやホームセンターでタイルや資材を購入しました。照明やトイレットペーパーホルダーも、楽天市場やAmazonなどのネット通販で買ったものです」
そうして完成した現在の部屋。自分らしさがつまった空間に、満足しているそうです。
「お金のやりくりに頭を悩ませながら、ひとつひとつ自分で選んだもので築き上げた私らしい家。大変だけど達成感があります。購入した物件がボロボロで住めない状態だったからこそ、決断できたフルリノベーション。その後の団地生活が快適になったことはもちろん、完成までの過程も楽しくてよい思い出です。なにが幸いするかわかりませんね」