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【桧山珠美 あれもこれも言わせて】

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 1年を待たずに終了した若手お笑い芸人たちのバラエティー「ジョンソン」(TBS系)。その後番組の「THE MC3」がスタートした。

 中居正広、東野幸治、ヒロミの3人によるトークバラエティーで、1、2回見たが、安定感はあるが、新鮮味はない。

 そもそも、「ジョンソン」は若手お笑い芸人の番組が売りだったが、かまいたち、見取り図、モグライダーらレギュラー陣はほぼアラフォー世代で若手を前面にといえるほどの若手ではない。それを若手と言ってしまえるところが「老人大国日本」のなせる業だ。

 その若手が玉砕、アラフォーで駄目ならアラフィフとこの3人に白羽の矢が立ったのだろう。

 月曜21時は日本テレビでは「しゃべくり007」を放送している時間帯であり、こちらもネプチューン、くりぃむしちゅー、チュートリアルとレギュラー陣はほぼ同世代。くしくもオジサン対決となった。

 結局のところ、この時間にテレビを見ているのは中高年。彼らにしてみれば同世代の番組は安心して見られる。さらに言えば高齢者にとってもイメージできる「若者」とはせいぜいその世代までで、それより下世代の話はモスキート音のように耳に入らないのでは。

女性の本音を語る番組では欠かせない存在

 目を女性陣に向けてみる。27日放送「ボクらの時代」(フジテレビ系)は大久保佳代子×光浦靖子×いとうあさこの同世代トークだった。「イッテQ」で「ババア」キャラとして人気を確立したあさこ。自分のことを自分で「おばさん」と言って叩かれると困惑。理由は同じ年の人が「私、おばさんなんだ」と傷つくかららしい。

 そんなふうに「ババア」ネタや「ブス」ネタを入れ込んで笑いを取る彼女たち。だからこそ「上田と女が吠える夜」や「トークィーンズ」など女性の本音を語るような番組には欠かせない存在となっている。

 藤原紀香や黒木瞳の美をあがめるトークより、あさこや大久保さんのババアトークの方が面白くて盛り上がり共感できるし。

 世のオジサンオバサンたちに癒やしと勇気を与えられるのは同世代の頑張っているタレントたちであり、テレビはそんなオジオバたちの解放区といってもいいだろう。

「ジョンソン」の失敗でわかったように、しょせん若い世代をターゲットにしたところで見向きもされない。それならオジサンオバサンたちを喜ばせる番組を増やした方が需要もありそうだ。

 かくして、テレビで元気なのはオジサンオバサンばかり。テレビをオワコン呼ばわりする若者なんか気にする必要などない。やりたいことをやっていれば、逆に彼らの方から近づいてくるかもしれないのだから。若い世代に媚びる必要など1ミリもないのだ。

(桧山珠美/コラムニスト)