新型コロナウイルスの流行で手洗いやうがいが推奨され、生活の中で「手を洗う」ことの重要性が説かれてきました。しかし、いまだに手洗いの習慣が身についていない人は多いようで、オーストラリアの食品安全情報協議会が同国の手洗い習慣に関する報告書で衝撃の結果を報告しています。

foodsafety.asn.au Latest report card on Aussie handwashing - blokes still need to do better! Global Handwashing Day 15 October 2024 - foodsafety.asn.au

https://www.foodsafety.asn.au/topic/latest-report-card-on-aussie-handwashing-blokes-still-need-to-do-better-global-handwashing-day-15-october-2024/



1 in 5 Australians admit they don’t wash their hands every time they use the toilet

https://theconversation.com/1-in-5-australians-admit-they-dont-wash-their-hands-every-time-they-use-the-toilet-241481

食品安全情報協議会は2024年8月22日から27日まで、18歳以上の1229人を対象にオンラインで調査を行いました。人口分布全体を反映するため、結果は年齢・性別・地域・最終学歴に基づいて、オーストラリアの2021年度国勢調査による重み付けがなされています。

調査の結果、オーストラリア人の19%が「トイレの後、必ずしも手を洗わない」と回答。この数値は2023年度の調査結果から2ポイント増加していました。

また、全体の42%が「食べ物に触れる前に必ずしも手を洗わない」ことを認めました。この結果は、2023年度と比較して8ポイントも増加しています。



性別の違いを見ると、「トイレに行った後に手を洗う」と答えた人は男性が80%で、女性が83%。また、「食べ物に触れる前に手を洗う」と答えたのは男性が55%で、女性が62%でした。いずれの場合でも、手を洗わない人の割合は男性の方が高いという結果となりました。

また、34歳以下の若者と65歳以上の高齢者を比較すると、「トイレに行った後に手を洗う」と答えたのは若者が69%で、高齢者が86%となり、若者の方が手を洗わない傾向が強かったとのこと。また、「食べ物に触れる前に手を洗う」と答えたのは若者が67%、高齢者が66%で、食べ物に触れる場合は年齢による違いはほとんどなかったそうです。

35歳以上64歳以下の中年層だと、全体的に手を洗う習慣を身についている人が多かったとのこと。食品安全情報協議会はこの理由について、「中年層は子どもを持つ親になることで、清潔さに重点を置くようになったため、あるいは年齢を重ねてより賢明になったため」と分析しています。

海外のニュースメディアであるThe Conversationによると、インドで子どもたちを対象に行われた同様の調査では、子どもたちの91%が「手を洗わないことが病気を引き起こす脅威となる」という事実を認識していなかったとのこと。つまり、9割以上の子どもたちが手洗いによる感染症リスクを理解していなかったというわけです。



また、46%の子どもが「細菌を目で見ることができないから手を洗う意味が感じられない」と答えたそうです。ただし、このインドでの調査では、72%の子どもたちが「友だちが手を洗うなら自分も手を洗う」と回答しました。

The Conversationは「この調査結果が子どもだけではなく大人にも当てはまるのではないかと推測したくなりますが、それを知るには十分な調査がまだ行われていません。人々が手を洗う理由、あるいは洗わない理由はおそらく生涯を通じて、また状況によって変化するでしょう」とコメントしています。

なお、オーストラリアの食品安全情報協議会は正しく手を洗う方法として以下の4点を挙げています。

・手を濡らして石けんを20秒以上こすり合わせて泡立てる。指の間や爪の下も忘れずに洗うこと。爪ブラシの使用もあり。

・流水でよくすすぎ、手についた泡を取り除く。

・清潔なタオルで20秒以上ふき、手を完全に乾かす。湿った手で何かに触ると、細菌が手に付着して広がりやすくなるため。

・流水がない場合はアルコールを含む消毒剤を使用すること。