キアヌ・リーブス主演の映画『ジョン・ウィック』シリーズ。今やキアヌの代表作であり、全世界興行収入10億ドルを記録する大ヒットシリーズに成長したけれど、実はこのシリーズがエヴァ・ロンゴリアなしにはあり得なかったことが明らかになった。監督のチャド・スタエルスキとデヴィッド・リーチが明らかにした。

1作目の公開10周年を記念して行われた「ビジネス・インサイダー」のインタビューを受けた両監督。1作目を製作中、撮影まで1週間を切った時点で資金が600万ドル(約9億円)不足していたと語った。「独自に資金を集めていたんだが、出資者の1人が資金調達に間に合わなかった」。監督もキアヌもすでに可能な限り出資、プロデューサーのベイジル・イヴァニクも個人のクレジットカードを限度額いっぱいまで使って資金を出していたという。このプロジェクトに協力していた大手エージェンシーのCAAは最後の手段としてクライアントの俳優たちに出資を呼びかけた。

それに応じたのがエヴァ・ロンゴリア。スタエルスキ監督曰く「文字通り、映画の撮影を中止しなくてはならなくなる24時間前にエヴァが助けに来てくれて、足りない資金を出してくれたんだ」。それを知ったのは撮影後。「終わってからプロデューサーのベイジルがディナーに連れて行ってくれて、そのとき教えてくれたんだ。『ところで面白いんだけど、誰が君に金を出してくれたと思う? エヴァ・ロンゴリアだよ』って。私たちは『え!?』って感じだった」。

その後両監督はエヴァをランチに招待、映画を救ってくれたことに感謝の気持ちを伝えたという。「エヴァは『うまくいくとは思わなかった』って笑っていたよ」とスタエルスキ監督。リーチ監督によるとエヴァはそのあと「『ジョン・ウィック』への出資は今までで最高のお金の使い方」と話していたという。

本人はうまくいくとは思わなかったと冗談めかして言っているけれど、この額を投じたからにはどこかで成功を予感していたはず。抜群のビジネスセンスを備えていることが証明されたといえそう。それにしても昼ドラ風の「デスパレードな妻たち」で人気を集めたエヴァが超アクション映画『ジョン・ウィック』に出資していたとは、ギャップにびっくり。『ジョン・ウィック』ファンの間でエヴァの株が爆上がりしそう。