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 夢は大きく200勝だ。地元の阪神からドラフト2位指名を受けた報徳学園の最速151キロ右腕・今朝丸が、藤川新監督からの「火の玉ストレート」の極意伝授を熱望した。

 「分かっていても打たれないストレートが印象に残っている。(06年の)オールスターでのカブレラとの真っすぐ勝負も凄かった。握り方も含めて、秘密を聞いてみたい」

 阪神との縁は深い。神戸市東灘区出身。甲子園は小さいころから父・裕さん(51)とともに通った場所だ。自宅には03年の星野阪神の優勝グッズが置かれ、「ゴメス選手とかマートンとかも覚えてます」と外国人選手の勝負強さに興奮したことを覚えている。甲子園出場を目指した高校時代は、2年春、3年春と2年連続準優勝に貢献。プロでも甲子園をホームにする。「地元だし、入りたかった球団」とチームメートの祝福に表情を緩めた。

 名字のデータベースなどによると「今朝丸」は全国で200人程度の珍名さん。裕さんは「つながりがあるかどうかは知らないけど、広島にあった名字のようです」と語る。ルーツをたどれば、瀬戸内海で活躍した武将に至る可能性はある。厳しい勝負の世界も望むところだ。

 高校日本代表としてアジア選手権参加後は、「しっかり土台をつくることが大事」とウエートトレーニング中心の強化に取り組み、ブルペンにも週1回ペースで入っている。指名されることがゴールではないと、肝に銘じている。「簡単じゃないけど、200勝には近づきたい。上背を含めて同じタイプの才木さんにも学んで、任された試合を勝ち切れる、息の長い投手になりたい」。猛虎の投手陣の看板を背負う覚悟をにじませた。(鈴木 光)

 ◇今朝丸 裕喜 (けさまる・ゆうき)2006年(平18)6月2日生まれ、神戸市出身の18歳。小3時に横屋川井少年野球部で野球を初めて投手。中学では関メディベースボール学院に所属。報徳学園では3年夏に背番号1。2年春から2年連続で選抜大会準優勝。50メートル走6秒5、遠投100メートル。1メートル87、77キロ。右投げ右打ち。