Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

自分の好きなように自分で組み立てていく自作パソコン。予算をかけてスペックにこだわるもよし、ケースやライティングも自作してデザインに凝るのもよし。完成品はもちろんですが、自作する人って組み立てるその工程自体が好きな人も多いはず。

一方で、市販のパソコン以上にこだわりたいけれど、自作するものづくり工程は好きじゃない人もいて、そういう人におすすめなのがカスタムパソコンメーカーのMaingear。自由度がとても高いプリビルドのパソコンです。MG-1は、特にゲーマーをターゲットに、高いカスタマイズ性とゴリゴリのRGBライティングに力を入れています。

米Gizmodo編集部がレビューして、激推ししています。

Maingearから渡された箱に入っていたのは、デスクトップパソコンのMG-1 Legendary

レビューユニットで入っていた背面パネルは黒と緑の迷彩で、フロントパネルにはGizmodoのロゴを入れてくれてました。フロントパネルのカスタマイズは通常100ドル(約15万円)ほどのオプションなので、ロゴ入りはラッキー。こういうカスタマイズこそMaingearらしさなんです。中サイズのデスクトップケースもユーザーがとことん好きにできます。たとえるなら、アイスの上にさくらんぼが乗っているかどうか。Maingearを選ぶなら、これ乗せてこそなんです。

プリビルドのメリットは安心感

ゼロからの自作ではなく、プリビルドというシステムにはメリットがあります。それは、プロなら間違いないという安心感。Maingeraなら、提供するすべてのパーツ、それらの相性を熟知しており、カスタマイズのAiO CPU冷却装置とともにケースにうまいこと詰めてくれます。この冷却が液体タイプなので、ケースの鏡で無限に見えてむえちゃくちゃ綺麗。

ケースを開けると、底とサイドにRGBのLEDラインが仕込んであります。が、これだけちょっと気になりました。サイドのガラスパネルを上から覗き込んで、探しにいかないと見えないようにはなっています。マシンをデスクの上に置くなら、見えることはほぼないかと。ただ、足元に置くと容易に上から覗けてしまううえ、このLEDラインテープに若干のチープさ、素人っぽさを感じてしまって…。うーん。

レビュー用に組まれたMG-1は、容量2TB、CPUはIntel Core i9-14900K、メモリは32GBで、GPUがNvidia GeForce RTX 4080 Super。Maingearのウェブサイトでこれをオーダーすると、3,400ドル弱(約50万円)。高いことは高いけど、RTX 4080 Superが1000ドルほどだと思えば手が届かなくもない。Intel Core i9は500ドル弱(約7万5000円)。

そりゃ自作すればもっと安くなりますが、便利さをお金で買っているわけですから。もちろん、買っているのは便利さだけではなく、Maingearのプロとしてのケーブル扱いのキレイさ。これを見ちゃうと、今までの自分のケーブル扱いがいかにテキトーだったか思い知りました。

カスタマイズ一切なしのMG-1 Legendaryのスタート価格は2,700ドル(約40万円)から。これは、スペック&性能でいい勝負のAlienware Aurora R16よりもちょい安いです。また、メモリのスロットやPCI-eのスロットがついているので、今後のアップグレードもしやすくなっています。

カスタマイズ可能オプションに、AMD最新CPUのRyzen 7・Ryzen 9があるのもうれしい。購入時は、AMDやIntelかどちらのエコシステムでいくかを選べますが、2,800ドル(約42万円)という価格を考えると、Intelとしっかり比較してAMDを検討するのもありです。

プリビルドの品質は?

Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

レビュー用として、できる限り基本のWindows 11として組まれており、MSIのパーツが多用されています。これ気をつけておかないと、消したつもりの不要ソフトウェアを再インストールしかねません。特に、私みたいにいろんなところのいろんな製品使う(RazerのマウスにBlackwidowのキーボードなど)タイプだと、入ってるソフト・アプリがわけわかんないことになっちゃいそうな気も…。

前述していますが、(LEDテープはチープだけど、それによる)RGBライティングがいい。CPUの液体冷却マシンと合わさってなおいいです。これ、サイドのパネルから中が見えるのですが、MSIのマザーボードとの相性もよく、パソコンだけどパソコンじゃないみたいで、見ているとなんか楽しいです。

で、このサイドパネルは4つのネジで留められていて、外すのに若干労力を必要とします。ネジを外したら後に引くと外れます。中にはLEDとGPUのマウントあり。マウントは3Dプリンター作。とはいえ、4080 Superはしっかりと固定されておりビクともしません。気になった(面倒くさそう)のは、グラフィックカードを留めているネジをいじろうと思ったら、フロントパネルも外さないといけないところ。

手元に届くのはすべて完全に出来上がった状態なのですが、興味から背面パネル外してみると…。ケーブルの収まりのまぁ美しいこと! これはお金出す価値のあるプロの仕事です。

高スペックマシンですが、静かなのがよし。負荷が高いときも、ファンの音はさほど気になりません。

性能は?

Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

そもそも高性能ゲーミングマシンとして組まれるのがMG-1 Legendaryというマシンなのでね。設定を最高値にせずとも、当たり前のように4Kも問題なしです。そりゃ、RTX 4090搭載のマシンと比べると劣りますけれど、ゲーマーに十分なスペック以上のマシンであることは間違いありません。

4K画質で複数ゲームをプレイ、ベンチマークをとってみました。オプションにあるAMD最新のRyzen 7 7800x3Dほどではないものの、レビュー端末のIntel Core i9 14900Kだってハイスペックなことに変わりなし。このCPUと4080 Superのタッグなら、フレームレート60FPSも、4K画質も、ウルトラワイド(3,440×1,400)も、なんの不満もありません。

もちろんすべてが完璧というわけではなく。たとえば、レイトレーシングの設定をウルトラにすると、『サイバーパンク2077』プレイ時(サブ4K)にフレームレートが50FPS。ただ、これにNvidiaが提供するAIグラフィックス技術DLSS性能を自動で設定しておくと、フレームレートは100FPSを超えました。4K画質では、レイトレーシングを高・ウルトラで設定するなら、フレームレート60出すのにDLSSの力はマストかと。

『サイバーパンク2077』以外のゲームも似たような結果でした。『Horizon Forbidden West』や『黒神話:悟空』も、アップスケーリングをOFFにしていてもとてもスムーズ。一方、『Warhammer 40K: Space Marine 2』のようなゲームは、4Kかつ全設定を高にするとアップスケーリングが必須。とはいえ、49FPSを下回ることもありませんでした。

ちなみに、今回のレビューユニットに組み込まれたCPUは、今現在はMG-1 Legendaryのオプションにありません。この手のマシンにはIntel Core i9-14900Kは安定したチップであり、GeekbenchやCinebenchのスコアもシングルコア・マルチコアともにIntel Core i9-14900KFよりも高いのですけれど。ただ、昨今のIntel CPU不具合問題が完全に解決、供給が安定するまでは、オプションとして選べないのもしょうがないわけです。

Maingear MG-1 Legendary:総評!

Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

自分たちが提供できること、すべきこと、求められていることを熟知したMaingearが作った安定感抜群のマシン。

将来的なカスタマイズも見据えた余白を残した、素晴らしいカスタマイズパソコンです。しつこいですが、せっかくのRGBライティングのLEDラインだけ本当すごく気になります…。見た目のこだわりがすごい人は、ここだけいじりなおしたくなっちゃうかも。それ以外の品質にはまったく不満なし!

ミドルサイズなこともあって、物理的なスペースはけっこうキツキツ。マザボにSSDが2つ以上ほしいとか、 (サイズ感はまだわからないけど)Nvidia RTX 50シリーズが出たら組み込みたいという人はキツイかもしれません。第5世代PCI-eスロット対応なのは、未来を見据えて優秀。

MG-1 Legendaryのカスタマイズで組めるスペックなら、プレイできないゲームはないと思います。今後数年はアップグレードの心配のない強ゲーミングマシン。フロントパネルのカスタマイズもせっかくならおすすめします。

いいところ:作りの質のよさとケーブルの扱いは最高。フロントパネルのカスタマイズ最高。負荷が高いときもうるさくない。

残念なところ:LEDライトのラインがちょっとチープで、お店カスタマイズの割には素人ぽい

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