ともに王者となった那須川天心(左)、岩田翔吉(右)に挟まれ笑顔を見せる粟生隆寛トレーナー (カメラ・堺 恒志)

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◆プロボクシング ▽WBOアジアパシフィック・バンタム級(53・5キロ以下)王座決定戦10回戦 〇同級1位・那須川天心(判定3―0)同級2位ジェルウィン・アシロ(14日、東京・有明アリーナ)

 WBOアジアパシフィック・バンタム級王者・那須川天心(帝拳)が初タイトル奪取から一夜明けた15日、都内で会見を行った。14日に行われたジェルウィン・アシロ(フィリピン)との王座決定戦では、9回にダウンを奪うなど3―0の判定勝ち。国内での世界戦挑戦権を得た。「一個の形としてベルトが取れたことはよかった。このベルトの重みを感じながら、次に進みたい」と世界戦へ向けて歩を進めていく。

 今回の試合の反響については「素直におめでとう、という人もいれば批判的な人も多い。いろんな声もあって、やっぱり賛否両論あるなと」倒しきれなかったことで非難の声もあったと明かした。それでも「しっかりポイントを取れて勝てたのはいい経験になりました」とあくまで前向きだ。

 格闘技の公式戦で初めて流血。偶然のバッティングで左目の上を切り、この日はテープを貼って登場した。縫合することを進められたが、断固拒否した。痛いの嫌いなんで。2、3日様子を見て、驚異的な回復力に期待します」と笑った。

 気になるのは今後だが、帝拳ジムの本田明彦会長は「来年の秋。2月、6月(に試合を行った後)で1年後に」とプランを明かした。世界戦までに行う2試合は地域タイトルの統一戦や世界ランカーとのノンタイトル戦なども考慮されている。昨年の転向当初は世界戦まで10戦をめどにしていたが、8戦目と計画は若干早まることになる。

 本人は世界で戦うには「トータル何でもできるっていう選手が世界チャンピオンになる。全てのレベルを上げないとなって思います」とまだまだ成長が必要と感じている。

12月には米国合宿を行う予定。環境を変えて、スパーリングを中心とした実践練習でさらに進化を促していく。