平林清澄主将(左から3人目)ら国学院大チームは出雲駅伝優勝を報じるスポーツ報知を手に笑顔を見せた

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 学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(14日、島根・出雲市出雲大社前スタート〜出雲ドーム前ゴール=6区間45・1キロ)で、駒大と青学大との激戦を制して、5年ぶり2度目の優勝を果たした国学院大は歓喜から一夜明けた15日、出雲空港発の日航機で帰京し、練習拠点の川崎市に戻った。

 前田康弘監督(46)、アンカーとして優勝のゴールテープを切ったエースで主将の平林清澄(4年)らは家族や友人、知人など多くの人から祝福の連絡があったという。前田監督は「300人くらいの方々からLINE、メールをいただきました。誠意をもって返信しております」と笑顔で話した。平林も「インスタで約500件のメッセージがありました。うれしいです」とにこやかに話した。

 国学院大大学院1年に在籍している歌手の相川七瀬(49)は現地で応援し、選手やスタッフに直接、お祝いの言葉を贈った。平林は「相川さんに『感動した。ドラマみたいだった』と言ってもらいました」と明かし、前田監督は「相川さんもすごく喜んでくれ、うれしかったですね」と笑った。

 昨夜はチーム全員で歓喜の時間を過ごしたが、一夜明けたこの日、すでに、次の全日本大学駅伝(11月3日、名古屋市熱田神宮西門前〜三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前=8区間106・8キロ)に向けて、気持ちを切り替えている。

 第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)で初優勝がチーム最大の目標に掲げているが、前田監督は「一戦必勝。まずは、次の全日本を全力で勝ちにいきます。『3冠を狙います』とは言いません。『終わってみれば3冠だった』という形になれば最高です」と話す。

 平林は全日本大学駅伝では1年生から3年連続でエース区間の7区(17・6キロ)を走り、区間3位、区間4位、区間賞。最後の伊勢路ではコースを熟知している7区、あるいは最長の最終8区(19・7キロ)に出場する見込みだ。「平林には、やはり7区か8区を走ってもらいます。終盤にダラダラと上る8区は平林に合っています。出雲駅伝と同じように平林でアンカー勝負するという考えもあります」と前田監督は戦略の一端を明かした。

 全日本大学駅伝の8区は、昨年まで3年連続で前主将の伊地知賢造(現ヤクルト)が担っていた。平林は「今季のチームテーマのひとつが『120%の準備』。8区を走る準備もします」ときっぱり話した。

 出雲駅伝で平林は駒大の篠原倖太朗(4年)、青学大の太田蒼生(4年)と両校のエースにアンカー対決で勝ち、優勝のゴールテープを切った。さらに区間賞も獲得。出雲路に続き、伊勢路でも優勝のゴールテープを切ることを目指す。

 出雲路の名勝負で勝った国学院大と平林は、今季の学生駅伝界の主役になろうとしている。